近鉄名古屋線

路線について

所在地 愛知県、三重県
駅数 44駅
開業 1915年(大正4年)9月10日
距離 78.8km
複線以上が存在しているか
電化区間が存在しているか
最高速度 120km/h

近鉄名古屋線路線図

クイックアクセスガイド

路線の概要

路線の歴史

沿線の概況

駅の紹介

車両


路線の概要

名古屋線(なごやせん)は、三重県松阪市の伊勢中川駅から愛知県名古屋市中村区の近鉄名古屋駅までを結ぶ近畿日本鉄道(近鉄)の鉄道路線です。

名古屋と大阪・伊勢を結ぶ特急列車が多数設定されています。また、名古屋・桑名・四日市・鈴鹿・津など、沿線都市を中心とした地域輸送も担っています。

なお、正式な起点は伊勢中川駅ですが、列車運行上は近鉄名古屋駅から伊勢中川駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっています。


路線の歴史

1915年9月10日伊勢鉄道(後の伊勢電気鉄道)白子~一身田町(現在の高田本山駅)間開業(狭軌として)。
1916年1月9日千代崎~白子間開業。
1917年1月1日一身田町~江戸橋(~津市・後の部田駅)間開業。玉垣口駅・千里駅を新設。
1917年12月22日楠~千代崎間開業。
1918年11月1日一身田町駅を高田本山駅に改称。
1919年10月25日海山道~楠間開業。
1920年4月1日北楠駅を新設。
1921年10月千里駅を廃止。
1921年11月8日三軒家駅を廃止。
1922年3月1日新四日市~海山道間開業。
1922年10月1日新四日市駅を四日市駅に、子安観音駅を鼓ヶ浦駅に改称。
1924年4月3日津市駅(旧)を部田駅に改称し、部田~津市(後の津新地駅)間開業。
1925年12月16日津市駅を津新地駅に改称。
1926年9月12日伊勢鉄道が伊勢電気鉄道に社名を変更。
1926年12月16日玉垣口駅・北楠駅を廃止。
1926年12月26日四日市~津新地間が電化し、電車運転を開始。以後の電化区間は開業当初から電化路線。
1928年10月21日長太駅を廃止。
1929年1月30日桑名~四日市間開業(諏訪~四日市間を除き複線)。
1929年7月5日(臨)霞ヶ浦駅を新設。
1929年10月28日羽津駅を新設。
1930年西桑名駅を益生駅に改称。
1930年5月18日参宮急行電鉄津線参急中川(現在の伊勢中川駅)~久居間開業。
1930年12月25日伊勢電気鉄道桑名~江戸橋(~大神宮前)間が全通。
1931年霞ヶ浦駅が常設駅となる。
1931年7月4日参宮急行電鉄津線久居~津新町間開業。
1931年8月19日伊勢電気鉄道塩浜~楠間を複線化。
1932年4月3日参宮急行電鉄津線津新町~津間開業。
1934年6月30日北楠駅を再度新設。
1936年9月15日参宮急行電鉄が伊勢電気鉄道を合併。桑名~江戸橋(~大神宮前)間が名古屋伊勢本線となる。
1937年12月20日白崎分岐(信号場、新設)~白子~鼓ヶ浦間、上磯分岐(信号場、新設)~伊勢上野間、豊津浦~逆川分岐(信号場、新設)間を複線化。
1938年4月13日諏訪~四日市間、楠~楠箕分岐(信号場、新設)間を複線化。
1938年6月20日参宮急行電鉄津線津~江戸橋間開業。名古屋伊勢本線に江戸橋駅で接続。
1938年6月26日関西急行電鉄関急名古屋(現在の近鉄名古屋駅)~桑名間開業。関西本線の旧橋梁を流用したことから、木曽川分岐(信号場、新設)~桑名間は単線で、それ以外の区間が複線となる。
1938年12月7日参宮急行電鉄江戸橋~参急中川間を標準軌から狭軌に改軌。
1940年1月1日参宮急行電鉄が関西急行電鉄を合併。関急名古屋駅・関急八田駅・関急蟹江駅・関急弥富駅・関急長島駅の関急の部分を参急に改称。
1941年3月15日大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併し、関西急行鉄道に改称。名古屋伊勢本線関急名古屋駅~江戸橋間、津線江戸橋駅~伊勢中川間が名古屋線、名古屋伊勢本線江戸橋(~大神宮前)間が伊勢線となる。参急名古屋駅・参急八田駅・参急蟹江駅・参急弥富駅・参急長島駅の参急の部分を関急に改称し、西富田駅を関急富田駅に、参急中川駅を伊勢中川駅に改称。
1941年8月18日海山道~塩浜間が複線化。
1943年3月24日伊勢上野~豊津浦間が複線化。
1943年7月1日長太ノ浦駅を新設し、千里駅を再度新設。豊津浦駅・伊勢上野駅を統合し、豊津上野駅を新設。
1943年8月21日楠箕分岐~箕田~伊勢若松間、久居~雲出川分岐(信号場、新設)間が複線化。楠箕分岐信号場を廃止。
1943年10月22日霞ヶ浦駅を廃止。羽津駅を移転。
1943年11月25日伊勢若松~白崎分岐間が複線化。白崎分岐信号場を廃止。
1944年3月13日鼓ヶ浦~上磯分岐間が複線化。上磯分岐信号場を廃止。
1944年5月8日逆川駅を廃止し、白塚駅を新設。
1944年6月1日関西急行鉄道が南海鉄道を合併し、近畿日本鉄道を設立する(後に南海電気鉄道が分離)。関急名古屋駅・関急八田駅・関急蟹江駅・関急弥富駅・関急長島駅・関急富田駅の関急の部分を近畿日本に改称。
1945年6月1日黄金駅・町屋駅・西町駅を休止。
1945年7月24日空襲により、揖斐・長良川橋梁が被爆し、不通となる。関西本線を代替線として用いるため、連絡線を設けた上で同線を一時的に電化。
1946年5月1日揖斐・長良川橋梁が復旧。
1946年6月17日津新町~久居間に二重池信号場を新設。
1946年6月27日二重池信号場~久居間が複線化。
1946年7月13日川越駅を廃止し、富洲原駅(現在の川越富洲原駅)を移転
1947年3月1日黄金駅を再開。
1947年3月14日西町駅を廃止。
1947年10月8日大阪~名古屋間の特急の運転を開始。
1948年7月21日揖斐川分岐~播磨川分岐間が複線化。
1948年9月1日揖斐川駅を休止。
1950年6月5日羽津駅を霞ヶ浦駅に改称。
1950年8月4日名古屋鉄道との団体臨時列車相互直通運転を実施(1952年9月30日まで)。
1952年町屋駅を廃止。
1952年10月31日鹿化川分岐(信号場、新設)~海山道間の0.1km短絡工事が完成し、複線化。
1953年9月15日津新町~二重池信号場間が複線化し、二重池信号場を廃止。
1955年7月15日逆川分岐~高田本山~江戸橋間の0.5km短絡工事が完成し、複線化。逆川分岐信号場を廃止。
1956年9月23日川原町~諏訪~四日市~鹿化川分岐間を川原町~近畿日本四日市~鹿化川分岐間の新線に切り替え、1.1km短縮。鹿化川分岐信号場を廃止
1959年9月19日揖斐・長良川橋梁を架け替え、近畿日本長島~揖斐川分岐間が複線化。揖斐川分岐信号場を廃止。
1959年9月26日木曽川橋梁を架け替え、木曽川分岐~近畿日本長島間が複線化。木曽川分岐信号場を廃止。同日、伊勢湾台風により全線が被災し、不通となる。
1959年9月28日近畿日本四日市~津新町間が復旧。
1959年9月29日近畿日本名古屋~近畿日本八田間が復旧。
1959年9月30日近畿日本八田~伏屋間、富洲原~近畿日本四日市間、津新町~伊勢中川間が復旧。
1959年10月1日桑名~富洲原間が復旧。
1959年10月15日伏屋~近畿日本蟹江間が復旧。
1959年11月8日近畿日本長島~桑名間が復旧。
1959年11月19日標準軌道化本工事開始。久居~伊勢中川間を標準軌に改軌。なお、これに先立つ改軌準備工事の際に、重量級の大阪線車両が入線可能となるように、路盤の強化も実施された。
1959年11月20日江戸橋~久居間を標準軌に改軌。
1959年11月21日豊津上野~江戸橋間を標準軌に改軌。
1959年11月22日白子~豊津上野間を標準軌に改軌。
1959年11月23日塩浜~白子間を標準軌に改軌。
1959年11月24日近畿日本四日市~塩浜間を標準軌に改軌。
1959年11月25日富洲原~近畿日本四日市間を標準軌に改軌。
1959年11月26日近畿日本長島~富洲原間を標準軌に改軌し、播磨川分岐~桑名間が複線化。播磨川分岐信号場を廃止。
1959年11月27日近畿日本名古屋~近畿日本蟹江間を標準軌に改軌し、近畿日本蟹江~近畿日本長島間が標準軌で復旧。これにより、全線の復旧と標準軌化が完成となる。
1959年12月12日名阪特急が直通運転を開始。大阪線の他、山田線とも直通を開始し、養老線と伊勢線との直通を廃止。
1959年名古屋線初の片側4扉固定高性能車1600系の運用を開始。
1960年1月20日近畿日本名古屋~上本町間の直通急行を伊勢中川駅経由で運行開始。
1961年3月29日中川短絡線が開通。名阪特急の伊勢中川駅でのスイッチバック運転を解消。
1961年8月8日津~津新町間が複線化。
1964年3月10日江戸橋~津間が複線化。
1964年3月23日同年3月1日に改軌された湯の山線(当時は三重電気鉄道の路線)と直通運転を開始(当初は準急が直通、1965年7月15日より特急も直通)。
1964年12月10日富吉駅を新設。
1968年3月1日自動列車停止装置(ATS)の使用を開始。
1969年5月15日揖斐川駅を廃止。
1970年3月1日近畿日本名古屋駅・近畿日本八田駅・近畿日本蟹江駅・近畿日本弥富駅・近畿日本長島駅・近畿日本富田駅・近畿日本四日市の近畿日本の部分を近鉄に改称。
1972年4月1日雲出川分岐~伊勢中川間が複線化。雲出川分岐信号場を廃止(伊勢中川駅構内扱いに変更)。
1973年10月11日近鉄四日市駅付近1.7kmを高架化。
1975年7月20日新正駅を新設。
1976年3月18日急行の停車駅に近鉄弥富駅を追加。朝と夜間に1往復運転されていた近鉄名古屋~上本町間の直通急行を廃止。
1979年3月15日名伊乙特急の一部停車駅に久居駅を追加(朝は名古屋方面・夜間は伊勢市・賢島方面のみ)。
1983年3月18日準急の運転体系を見直し、通過駅の多い準急を廃止し、新たな準急を近鉄名古屋~近鉄四日市間に設定。近鉄名古屋~宇治山田間直通の普通列車を廃止(時刻表上のことであり、伊勢中川駅で列車番号を変更した上で運転を継続する列車は存続)。
1984年11月28日旧型車全廃により通勤車の最高速度を110km/hに向上。
1988年3月18日21000系(アーバンライナー)の営業運転を開始。特急の120km/h運転を開始。
1989年4月28日南が丘駅を新設。
1990年3月15日名阪甲特急の一部停車駅に津駅を追加。
1992年3月19日22000系(ACE)の営業運転を開始。
1994年3月15日23000系(伊勢志摩ライナー)の営業運転を開始。
1996年3月15日名伊特急の運行体制見直し(一部列車の臨時列車格下げ等)が始まる。
1998年3月17日湯の山線直通特急の廃止(近鉄四日市~湯の山温泉間の単独運行に)。
2000年3月15日近鉄名古屋~近鉄四日市間の準急・近鉄名古屋~富吉間の普通を毎時各4本から3本に削減。
2001年2月1日伊勢中川駅・近鉄四日市駅・桑名駅における「途中下車指定駅」の制度が廃止。
2001年3月22日日中の津新町駅折り返しの急行を伊勢中川駅まで延長。名古屋線全線で急行が毎時3本となる。
2002年3月20日急行の停車駅に近鉄蟹江駅を追加。これに伴って準急の本数を削減。
2003年3月6日名伊甲特急の停車駅に津駅を追加。
2004年3月18日白塚~伊勢中川間の一部の普通でワンマン運転を開始。
2005年5月21日黄金~伏屋間が高架橋方式により連続立体交差化。
2007年4月1日各駅でPiTaPa・ICOCAの取り扱いを開始。
2008年6月14日近鉄名古屋~近鉄八田間で車上速度パターン照査式ATS(ATS-SP)の使用を開始。
2009年3月20日富洲原駅を川越富洲原駅に改称。
2010年4月1日全線で名古屋列車運行管理システム「KRONOS」(クロノス)の運用を開始。
2012年3月20日名阪甲特急の停車駅に津駅を追加。
2013年3月21日50000系(しまかぜ)の営業運転を開始。
2013年3月23日各駅でTOICA・manaca等の取り扱いを開始。
2014年3月25日~28日天皇・皇后(当時)の三重訪問に伴うお召し列車が、近鉄名古屋~宇治山田間に運転される(往路:25日、復路:28日)。50000系を充当。
2014年7月26日近鉄名古屋線踏切内不審物設置事件が発生。
2015年11月7日伏屋駅付近の下り線が高架化。
2016年5月8日川原町駅が高架化。
2017年9月23日伏屋駅付近の上り線が高架化。
2018年3月17日急行の停車駅に南が丘駅・桃園駅を追加。これに伴って日中の津新町~伊勢中川間を走る普通列車を廃止。
2020年3月14日80000系(ひのとり)の営業運転を開始。

沿線の概況

愛知県名古屋市にある近鉄名古屋駅を出発した列車は、地上に上がり、JR関西本線と並行していきます。名古屋高速5号万場線をアンダークロスした後、高架となり、あおなみ線が左へ離れていくと、間もなく近鉄八田駅に着きます。その後、庄内川橋梁の手前でJR関西本線をオーバークロスし、庄内川を渡ると、伏屋駅に着きます。その後、新川を渡って、蟹江町にある近鉄蟹江駅、愛西市との境界付近にある富吉駅を経て弥富市にある近鉄弥富駅に到着します。弥富駅では名鉄尾西線と接続し、同駅から桑名駅まではJR関西本線と並行します。木曽川を渡ると三重県の桑名市に入り、近鉄長島駅を経て長良川と揖斐川を渡ります。この区間は1959年の伊勢湾台風で甚大な被害を受けました。また、この付近では旧線跡が垣間見えます。桑名駅に着く手前でJR関西本線が近鉄線の下をくぐり、桑名駅に至ります。桑名駅はJR関西本線のほか、養老鉄道養老線や三岐鉄道北勢線(西桑名駅)と接続しています。

桑名駅を出ると三岐鉄道北勢線を潜り、JR関西本線と併走しながらカーブして朝日町に入り、東芝の工場の手前でJR関西本線と離れ伊勢朝日駅に至ります。伊勢朝日駅を出て、伊勢湾岸自動車道を潜ったところで川越町に入り、川越富洲原駅を出たところで四日市市に入ります。その後、JR関西本線の上をまたいで、近鉄富田駅に着きます。近鉄富田駅は三岐鉄道と連絡が行われています。ここから先は住宅地を通ります。国道1号・国道23号と寄り添い、川原町駅を経て近鉄四日市駅に至ります。近鉄四日市駅は市の実質的な中心駅となっています。近鉄四日市駅は湯の山線や四日市あすなろう鉄道内部線(あすなろう四日市駅)と接続しています。

近鉄四日市駅を出た後は、新正駅を過ぎたところでJR関西本線の上をまたぎ、伊勢湾沿いの工場地帯の中を通ります。海山道駅から塩浜駅までの間は貨物線と並行し、楠駅を出たところで鈴鹿市に入ります。鈴鹿市に入ってからは田園地帯を通り、鈴鹿線と接続している伊勢若松駅を過ぎた後、建物が密集するようになったところで白子駅に着きます。白子駅を出て、磯山駅の先にある中ノ川を渡ったところで津市に入り、津市に入ってからは再度、田園地帯を通ります。高田本山駅を出たところで建物が密集するようになり、江戸橋駅の先でJR紀勢本線と伊勢鉄道伊勢線の上をまたいだところで、津駅に到着します。

津駅を出た後は津新町駅付近までJR紀勢本線と並行し、その後は内陸部の新興住宅地の中を通ります。桃園駅を出て、雲出川を渡ったところで松阪市に入り、大阪難波方面に向かう中川短絡線が右手に分かれるところを過ぎると、近鉄大阪線と合流して、伊勢中川駅に着きます。


駅の紹介

駅名\種別 普通準急急行特急乙特急甲しまかぜ
近鉄名古屋(E01)
米野(E02) |||||
黄金(E03) |||||
烏森(E04) |||||
近鉄八田(E05) |||||
伏屋(E06) |||||
戸田(E07) |||||
近鉄蟹江(E08) |||
富吉(E09) ||||
佐古木(E10) ||||
近鉄弥富(E11) |||
近鉄長島(E12) ||||
桑名(E13) |
益生(E14) ||||
伊勢朝日(E15) ||||
川越富洲原(E16) ||||
近鉄富田(E17) |||
霞ヶ浦(E18) ||||
阿倉川(E19) ||||
川原町(E20) ||||
近鉄四日市(E21)
新正(E22) -||||
海山道(E23) -||||
塩浜(E24) -|||
北楠(E25) -||||
楠(E26) -||||
長太ノ浦(E27) -||||
箕田(E28) -||||
伊勢若松(E29) -|||
千代崎(E30) -||||
白子(E31) -|
鼓ヶ浦(E32) -||||
磯山(E33) -||||
千里(E34) -||||
豊津上野(E35) -||||
白塚(E36) -||||
高田本山(E37) -||||
江戸橋(E38) -|||
津(E39) -|
津新町(E40) -|||
南が丘(E41) -|||
久居(E42) -||
桃園(E43) -|||
伊勢中川(E61) -||

※記号の凡例 ○:停車、△:一部停車、▽:一部通過、|:通過、-:設定なし


車両

特急車両

12400系

12410系

12600系

22000系

22600系

30000系

21000系

21020系

23000系

50000系

80000系

一般車両

1000系

1010系

1200系・1201系

1220系

1230系

1400系

1420系

1422系

1430系

1810系

2000系

2050系

2410系

2430系

2610系

2800系

5200系

5800系

9000系