近鉄大阪線(赤目口~伊勢中川)

路線について

所在地 三重県(赤目口~伊勢中川間として)
駅数 14駅(赤目口~伊勢中川間として)
開業 1914年(大正3年)4月30日(当路線全体として)
1930年(昭和5年)10月10日(赤目口~伊勢中川間として)
距離 44.9km(赤目口~伊勢中川間として)
複線以上が存在しているか
電化区間が存在しているか
最高速度 130km/h(赤目口~伊勢中川間として)

近鉄大阪線(赤目口~伊勢中川)路線図

クイックアクセスガイド

路線の概要

路線の歴史(赤目口~伊勢中川)

沿線の概況(赤目口~伊勢中川)

駅の紹介(赤目口~伊勢中川)

車両(赤目口~伊勢中川)


路線の概要

大阪線(おおさかせん)は、大阪府大阪市天王寺区の大阪上本町駅から三重県松阪市の伊勢中川駅までを結ぶ近畿日本鉄道(近鉄)の鉄道路線です。

大阪(大阪上本町駅および難波線大阪難波駅)と名古屋・伊勢志摩方面を結ぶ特急列車が通る近鉄の基幹路線の一つです。また、三重県伊賀地域・奈良県中和地域・大阪府中河内地域から大阪市内への通勤・通学路線としても機能しています。当路線の営業距離の108.9kmは、JR・三セクを除く日本の私鉄の路線では東武伊勢崎線に次ぐ長さとなっています(全線複線以上の路線としてはJR・三セクを除く日本の私鉄最長)。

全線でPiTaPaおよびICOCA・SuicaなどのICカードが全国相互利用サービスにより利用可能となっています。なお自動改札機が設置されていない伊賀上津~川合高岡間の各駅には、専用の簡易改札機を設置して対応しています。


路線の歴史(赤目口~伊勢中川)

1930年10月10日参宮急行電鉄(榛原~)赤目口~伊賀神戸間開業。
1930年11月19日参宮急行電鉄伊賀神戸~阿保(現在の青山町駅)間、佐田(現在の榊原温泉口駅)~参急中川(現在の伊勢中川駅)間開業。
1930年12月20日参宮急行電鉄阿保~佐田間開業。
1941年3月15日大阪電気軌道が参宮急行電鉄を合併し、関西急行鉄道に改称。(布施~)赤目口~伊勢中川間が大阪線となる。参急上津駅を伊賀上津駅に、参急石橋駅・参急中川駅の参急の部分を伊勢に改称。
1944年6月1日関西急行鉄道が南海鉄道を合併し、近畿日本鉄道を設立する(後に南海電気鉄道が分離)。
1959年12月23日美旗~伊賀神戸間が複線化。
1960年12月27日阿保~伊賀上津間が複線化。
1961年3月23日名張~美旗間が複線化。
1961年3月29日中川短絡線が開通。名阪特急の伊勢中川駅でのスイッチバック運転を解消。
1961年8月21日伊賀神戸~阿保間が複線化。
1964年10月1日桔梗が丘駅を新設。
1965年3月18日佐田駅を榊原温泉口駅に改称。
1967年9月1日川合高岡~宮古分岐(中川短絡線分岐点)間が複線化。
1967年10月19日三軒家信号場~西青山間が複線化。
1967年11月1日大三~亀谷信号場間、高野信号場~川合高岡間が複線化。
1968年3月1日自動列車停止装置(ATS)の使用を開始。
1970年3月1日阿保駅を青山町駅に改称。
1971年10月25日近鉄大阪線列車衝突事故が発生。死者25名、重軽傷者224名の大事故となった。
1971年近鉄初の新製時冷房搭載一般車2680系の営業運転を開始。
1973年12月10日伊賀上津~三軒家信号場間が複線化。
1973年12月18日垣内信号場~大三間が複線化。
1973年12月22日宮古分岐~伊勢中川間が複線化。
1974年5月19日亀谷信号場~伊勢石橋間が複線化。
1974年8月9日伊勢石橋~高野信号場間が複線化。
1981年界磁チョッパ制御の一般車1400系の営業運転を開始。
1984年近鉄初のVVVFインバーター制御の一般車1420系(登場当時は1250系)の営業運転を開始。
1986年3月18日(上本町・現在の大阪上本町駅~)赤目口~名張間で一部の快速急行と区間快速急行が10両編成での運転を開始。
1987年大阪線初の車体幅2,800mmアルミニウム合金製車体でVVVFインバーター制御の一般車1422系・1220系の営業運転を開始。
1988年3月18日21000系(アーバンライナー)の営業運転を開始。特急の120km/h運転を開始。
1988年3扉転換クロスシートの一般車5200系の営業運転を開始。
1991年3月19日青山町駅の配線変更工事が完成したことにより、10両編成での運転区間を(上本町・現在の大阪上本町駅~)赤目口~青山町間に延長。
1992年3月19日22000系(ACE)の営業運転を開始。
1994年3月15日23000系(伊勢志摩ライナー)の営業運転を開始。特急の130km/h運転を開始。夜間の一部を除く阪伊特急が上本町駅発着となる。
1996年2月2610系2621Fを改造したL/Cカー試作編成の試験運用が開始される。
1996年3月15日阪伊特急の運行体制見直し(一部列車の臨時列車格下げ等)が始まる。
1997年3月18日昼間の急行(快速急行と区間快速急行を含む)が(上本町・現在の大阪上本町駅~)赤目口~青山町間で1時間あたり2本から3本に増発(山田線方面直通1本と青山町折り返し2本)。
1997年7月25日新造L/Cカー(5800系)の営業運転を開始。
1998年3月17日湯の山線直通特急の廃止(近鉄四日市~湯の山温泉間の単独運行に)。青山町車庫が完成し、使用を開始。
1998年4月1日上本町~青山町間でご乗車確認システム(フェアシステムK)および列車運行管理システム(KOSMOS)の稼働を開始。
2001年2月1日上本町~青山町間でスルッとKANSAI対応カード(現在は販売・改札機での利用共に終了)の取り扱いを開始。これに伴い、伊勢中川駅における「途中下車指定駅」の制度が廃止。
2001年10月14日上本町~青山町間でJスルーカード(JR西日本のストアードフェアシステム、現在は販売・改札機での利用共に終了)の取り扱いを開始。
2002年シリーズ21(5820系)の営業運転を開始。
2003年3月6日阪伊特急の一部を近鉄難波駅(現在の大阪難波駅)発着に変更。京伊特急の一部が(大和八木~)赤目口~伊勢中川(~賢島)間で阪伊乙特急と併結運転を実施。京伊特急の停車駅に名張駅・伊勢中川駅(以上は全列車)・伊賀神戸駅(阪伊乙特急との併結運転列車のみ)を、快速急行の停車駅に美旗駅をそれぞれ追加。
2007年4月1日各駅でPiTaPa・ICOCAの取り扱いを開始。
2009年2月27日東青山駅構内で脱線事故が発生。この影響で青山町~伊勢中川間が終日不通となり、バス代行輸送が行われた。
2009年3月1日Jスルーカード(JR西日本のストアードフェアシステム)の改札機・精算機での取り扱いを終了。
2010年4月1日東青山~伊勢中川間で名古屋列車運行管理システム「KRONOS」(クロノス)の運用を開始。
2012年3月20日区間快速急行が快速急行に統合されて廃止となる。快速急行の停車駅に赤目口駅を追加し、伊賀上津駅・西青山駅・東青山駅が通過となる。区間準急を新規に設定。
2013年3月21日50000系(しまかぜ)の営業運転を開始。
2013年3月23日各駅でTOICA・manaca等の取り扱いを開始。
2020年3月14日80000系(ひのとり)の営業運転を開始。

沿線の概況(赤目口~伊勢中川)

奈良県宇陀市から宇陀川を渡って三重県名張市へ入り、 赤目四十八滝の最寄駅である赤目口駅を過ぎて、山間から名張盆地へと移っていきます。名張川を渡ると車両基地を構えた名張駅に着きます。駅の売店には関西で売られている商品だけでなく、中日新聞・中日スポーツなど東海・中部地方でよく見られる商品が並ぶようになり、関西(近畿)地方と中部地方の境界的な様子を見せます。利用客もこの駅からは大阪方面ではなく津・四日市・名古屋方面に向かう通勤、通学客が現れてきます。

名張駅を出てしばらくは名張の市街地を通り、桔梗が丘駅に至ります。この駅を過ぎると線路は住宅街を出て田園地帯を走ります。美旗駅を過ぎ、伊賀市に入ると伊賀神戸駅に着きます。この駅から伊賀鉄道伊賀線が北に分かれており、伊賀市(旧上野市)の中心部、上野市駅(忍者市駅)へはここで乗り換えとなります。当路線は木津川を渡り、さらに山間部を進んで車庫を構える青山町駅に出ます。

青山町駅から先、伊賀上津駅から榊原温泉口駅の間はほとんど人家がない完全な山(布引山地)の中を進むことになります。この辺りは近年鹿が多く出没しており、特に東青山駅周辺では2015年の1年間だけで過去最多となる17件もの鹿との衝突事故が発生しています。またトンネルも多く、この間で全長5,652mの新青山トンネル、1,165mの垣内(かいと)トンネルを通ります。新青山トンネルを通り抜けると津市に入ります。

榊原温泉口から先もしばらくは山間部が続き、トンネルを進みますが、大三駅を過ぎたあたりから山を抜け、田園地帯に入ります。伊勢石橋駅を過ぎると徐々に住宅も多くなってきます。川合高岡駅まで来るとほぼ平地とあり、完全に山を越えたことを実感させるものとなります。この川合高岡駅の近くにはJR名松線の一志駅があります。

川合高岡駅を出た後、伊勢自動車道をくぐって松阪市に入り、左手方向に名古屋線への連絡線が分かれます。中村川を渡ると名古屋線の線路が左手から合流して、伊勢中川駅に到着します。この駅は大阪線・名古屋線とも始終着駅となっていますが、線路自体はこの駅より山田線となって宇治山田・賢島方面に続いており、伊勢中川より大阪、名古屋方から直通運転する列車も多くあります。


駅の紹介(赤目口~伊勢中川)

駅名\種別 普通区間準急・準急急行快速急行特急乙特急甲しまかぜ
赤目口(D48) |||
名張(D49) ||
桔梗が丘(D50) -||
美旗(D51) -|||
伊賀神戸(D52) -||
青山町(D53) -||
伊賀上津(D54) -|||
西青山(D55) -|||
東青山(D56) -|||
榊原温泉口(D57) -||
大三(D58) -||||
伊勢石橋(D59) -||||
川合高岡(D60) -||||
伊勢中川(D61) -||

※記号の凡例 ○:停車、△:一部停車、▽:一部通過、|:通過、↓:通過(下りのみ設定)、-:設定なし


車両(赤目口~伊勢中川)

特急車両

12400系

12410系

12600系

22000系

22600系

30000系

21000系

21020系

23000系

50000系

80000系

一般車両

1220系

1230系

1400系(赤目口~青山町)

1420系

1422系

1430系

1620系(赤目口~青山町)

1810系

2410系

2430系

2610系

2800系

5200系

5800系

5820系

8810系(赤目口~青山町)

9020系

9200系(赤目口~青山町)