中央本線(名古屋~塩尻)

路線について

所在地 愛知県、岐阜県、長野県(名古屋~塩尻間として)
駅数 40駅(名古屋~塩尻間として)
開業 1889年(明治22年)4月11日(当路線全体として)
1900年(明治33年)7月25日(名古屋~塩尻間として)
距離 174.8km(名古屋~塩尻間として)
複線以上が存在しているか ○(名古屋~十二兼間、倉本~原野間、宮ノ越~奈良井間、贄川~塩尻間)
電化区間が存在しているか
最高速度 130km/h(名古屋~塩尻間として)

中央本線(名古屋~塩尻)路線図

クイックアクセスガイド

路線の概要(全体として)

路線の歴史(名古屋~塩尻)

沿線の概況(名古屋~塩尻)

駅の紹介(名古屋~塩尻)

車両(名古屋~塩尻)


路線の概要(全体として)

中央本線は、東京都千代田区の東京駅から新宿区の新宿駅、長野県塩尻市の塩尻駅を経由して愛知県名古屋市中村区の名古屋駅までを結ぶ鉄道路線(幹線)です。

東京から西へ延び、東京から下諏訪までは、ほぼ甲州街道に、下諏訪以西はほぼ中山道に沿って(ただし、釜戸駅から名古屋までは、中山道ではなく、尾張藩管理の脇街道である下街道ルートを採っており、本来中山道本道が向かう岐阜には接続しない)、山梨県・長野県南部・岐阜県南部を経由して名古屋までを結ぶ鉄道路線です。東京・名古屋の両都市から沿線各地域や信州地区を結ぶ特急列車が頻繁に運転されているほか、両都市圏では都心部への通勤輸送の役割も担っています。また、日本貨物鉄道(JR貨物)による貨物列車も運転されています。

国鉄分割民営化時に当時の運輸省に提出された事業基本計画、および国土交通省監修『鉄道要覧』では、東京駅~神田駅間は東北本線、代々木駅~新宿駅は山手線となっています。これは先行敷設路線との営業距離の重複計上を行わないためのものであり、線路は独立しています。ただ、マルスのシステム上の経路表示における「中央(東)線」は、「東京~神田~代々木~新宿~韮崎~」となっており、東京駅~神田駅間は東北本線と重複、山手線の代々木駅~新宿駅間は分断された形になっています。なお、金山駅に東海道本線のホームが設けられたことで、同様に東海道本線と重複することになった金山駅~名古屋駅間(ただし同駅間にある尾頭橋駅に中央本線ホームはない)は、現在も重複計上されています。


路線の歴史(名古屋~塩尻)

1900年7月25日名古屋~多治見間開業。その区間内に千種駅・勝川駅・高蔵寺駅が開業。
1902年12月21日多治見~中津(現在の中津川駅)間開業。その区間内に土岐津駅(現在の土岐市駅)・瑞浪駅・釜戸駅・大井駅(現在の恵那駅)が開業。
1907年2月名古屋~千種間に古渡信号所を開設。
1908年8月1日中津~坂下間開業。
1908年10月27日古渡信号所を廃止。
1909年7月15日坂下~三留野(現在の南木曽駅)間開業。
1909年9月1日三留野~野尻間開業。
1909年10月12日国有鉄道線路名称制定により、中央西線となる。
1909年12月1日野尻~須原間、中央東線塩尻~奈良井間開業。その区間内に洗馬駅・贄川駅が開業。
1910年10月5日須原~上松間、中央東線奈良井~藪原間開業。
1910年11月25日上松~木曽福島間、中央東線藪原~宮ノ越間開業。
1911年4月9日大曽根駅を新設。
1911年5月1日木曽福島~宮ノ越間開業。中央東線が中央西線を編入して、中央本線となる。
1911年6月1日中津駅を中津川駅に改称。
1912年7月15日名古屋~千種間に古渡聯絡所を開設。
1913年9月10日中津川~坂下間に落合川仮信号所(現在の落合川駅)を開設。
1913年10月1日贄川~洗馬間に日出塩信号所(現在の日出塩駅)を開設。
1914年5月1日須原~上松間に立町信号所(現在の倉本駅)を開設。
1917年11月25日美乃坂本駅を新設。
1917年11月27日落合川仮信号所が駅に昇格し、落合川駅となる。
1919年5月19日高蔵寺~多治見間に玉野信号所(現在の定光寺駅)を開設。
1919年11月25日釜戸~大井間に竹折信号所(現在の武並駅)を開設。
1920年8月15日玉野信号所を仮停車場に変更し、定光寺仮停車場となる。
1922年4月1日信号所・聯絡所を信号場に変更。
1922年9月18日坂下~三留野間に読書仮信号場を開設。
1923年7月1日読書仮信号場を廃止。
1924年1月1日定光寺仮停車場が駅に昇格し、定光寺駅となる。
1926年4月1日竹折信号場が駅に昇格し、武並駅となる。
1926年12月21日日出塩信号場が駅に昇格し、日出塩駅となる。
1927年5月1日大曽根~勝川間に守山信号場を開設。
1927年12月16日鳥居松駅(現在の春日井駅)を新設。
1928年9月6日鶴舞公園で行われた名古屋博覧会の旅客輸送用の臨時駅として、名古屋~千種間に鶴舞公園仮停車場を開設。
1928年12月1日鶴舞公園仮停車場を廃止。
1929年12月3日坂下~三留野間に田立信号場(現在の田立駅)、三留野~野尻間に十二兼信号場(現在の十二兼駅)を開設。
1930年6月5日木曽平沢駅を新設。
1932年7月10日守山信号場を廃止。
1937年2月1日名古屋駅付近高架化・経路変更(東海道本線の東側から西側へ移設)。
1937年4月21日鶴舞駅を新設。
1940年10月10日定光寺~多治見間に池田信号場(現在の古虎渓駅)を開設。
1941年8月26日高蔵寺~定光寺間に高座仮信号場を開設。
1942年1月27日高座仮信号場を廃止。
1943年10月1日鳥居松~高蔵寺間に神領信号場(現在の神領駅)を開設。
1946年5月1日鳥居松駅を春日井駅に改称。
1948年9月1日田立信号場・十二兼信号場・立町信号場がそれぞれ駅に昇格し、田立駅・十二兼駅・倉本駅となる。
1949年7月12日神領信号場を仮乗降場に変更し、神領仮乗降場となる。
1951年9月1日大桑駅を新設。
1951年12月15日神領仮乗降場が駅に昇格し、神領駅となる。
1952年4月1日池田信号場が駅に昇格し、古虎渓駅となる。
1955年4月21日原野駅を新設。
1961年9月1日千種駅を移転。
1962年1月25日古渡信号場を移転して駅に昇格し、金山駅となる。
1962年9月21日千種~大曽根間が複線化。
1962年9月27日金山~千種間が複線高架化。
1962年10月10日名古屋~山王信号場間が複線化。東海道本線貨物支線を中央本線下り線用に転用し同区間が二重戸籍となる。
1963年11月1日大井駅を恵那駅に改称。
1964年3月2日山王信号場~金山間が複線化。
1964年3月10日大曽根~勝川間が複線化。
1964年3月14日勝川~神領間が複線化。
1964年3月28日神領~高蔵寺間が複線化。
1964年4月1日新守山駅を新設。
1965年7月1日土岐津駅を土岐市駅に改称。
1966年3月8日古虎渓~多治見間が複線化。
1966年3月10日瑞浪~下畑信号場(新設)間が複線化。
1966年3月12日定光寺~古虎渓間が複線化。
1966年3月17日土岐市~瑞浪間が複線化。
1966年3月20日上松~木曽福島間に中平信号場を開設。
1966年3月22日高蔵寺~定光寺間が複線化。
1966年3月24日多治見~土岐市間が複線化。
1966年3月28日二軒屋信号場(新設)~美乃坂本~与ヶ根信号場(新設)間が複線化。
1966年3月30日釜戸~大羽根信号場(新設)間が複線化。
1966年5月14日名古屋~多治見間が電化。
1966年7月1日多治見~瑞浪間が電化。
1966年9月25日倉本~小野ノ滝信号場(新設)間が複線化。
1966年9月27日山吹山信号場(新設)~藪原間が複線化。
1968年7月19日与ヶ根信号場~中津川間が複線化。与ヶ根信号場を廃止。
1968年7月26日大羽根信号場~武並間が複線化。大羽根信号場を廃止。
1968年7月31日下畑信号場~釜戸間が複線化。下畑信号場を廃止。
1968年8月3日恵那~二軒屋信号場間が複線化。二軒屋信号場を廃止。
1968年8月16日瑞浪~中津川間が電化。
1968年9月20日日出塩~洗馬間が複線化。
1968年9月25日落合川~坂下間が複線化。
1968年9月30日宮ノ越~山吹山信号場間が複線化。山吹山信号場を廃止。
1968年10月1日三留野駅を南木曽駅に改称。キハ181系気動車を使用して名古屋~長野間に特急「しなの」が運転を開始。
1969年3月31日武並~恵那間が複線化。
1969年6月24日小野ノ滝信号場~上松間が複線化。小野ノ滝信号場を廃止。
1969年7月3日南木曽~十二兼間が複線化。
1969年9月29日藪原~奈良井間が複線化。
1970年9月29日木曽福島~原野間が複線化。
1973年3月26日中津川~落合川間が複線化。
1973年4月20日坂下~田立間が複線化。
1973年5月25日田立~南木曽間が複線化。田立駅を移転。
1973年5月27日中津川~塩尻間が電化。
1973年7月10日特急「しなの」を381系電車に置き換え開始(1975年に置き換えを完了)。
1973年7月30日十二兼~塩尻間に列車集中制御装置(CTC)を導入。
1974年8月20日中津川~十二兼間にCTCを導入。
1975年2月25日洗馬~塩尻間が複線化。
1978年9月14日贄川~日出塩間が複線化。
1979年10月15日中平信号場~木曽福島間が複線化。
1980年3月23日80系電車のさよなら運転が行われ、名古屋地区の新性能化が完了。
1982年5月17日塩尻駅を移転。
1982年9月29日上松~中平信号場間が複線化。中平信号場を廃止。
1987年4月1日国鉄分割民営化。東海旅客鉄道(JR東海)が継承。日本貨物鉄道が同区間の第二種鉄道事業者となる。
1988年3月13日JR発足後初のダイヤ改正で211系5000番台を導入。
1989年7月9日金山駅に東海道本線用のホームを新設したことにより、名古屋~金山間が東海道本線との重複区間となる。
1992年12月6日名古屋~中津川間にCTCを導入。
1996年12月1日特急「しなの」を381系電車から383系電車に置き換え(臨時列車については381系も引き続き使用される)。383系充当列車は「(ワイドビュー)しなの」となる。
1997年10月1日急行「ちくま」を客車から383系電車に置き換え。
1999年5月6日313系電車の営業運転を開始。
1999年12月4日定員制列車「セントラルライナー」(名古屋~中津川間)の運転を開始。
2000年3月11日中津川~塩尻間の一部列車でワンマン運転を開始。
2003年10月1日急行「ちくま」を臨時列車に格下げ、車両も381系電車に変更。
2005年3月1日~9月30日2005年日本国際博覧会(愛・地球博)来場客輸送のためエキスポシャトルを運転。
2006年9月23日勝川駅付近の下り線が高架化。
2006年11月25日名古屋~中津川間でICカード「TOICA」を導入。
2008年5月6日JR東海所属の381系電車が営業運転を終了する。
2009年10月23日勝川駅付近の上り線が高架化。
2013年3月16日「セントラルライナー」を廃止。
2014年7月9日大雨の影響で南木曽~十二兼間の橋梁の橋桁が流出し、中津川~上松間が不通となる。その後、7月11日に中津川~坂下間が、7月14日に野尻~上松間が復旧、8月6日に坂下~野尻間が復旧し、全線の運転を再開。
2016年3月26日特急「(ワイドビュー)しなの」の大阪駅乗り入れが廃止され、「(ワイドビュー)しなの」の定期列車はすべて名古屋~長野間の運転となる。
2022年3月5日315系電車の営業運転を開始。

沿線の概況(名古屋~塩尻)

愛知県名古屋市にある名古屋駅を出ると、東海道本線と名鉄名古屋本線に並行しながら金山駅に向かいます。金山駅を出たところで両線と分かれ、日本唯一のガイドウェイバスの起点がある大曽根駅に至ります。名古屋~大曽根間の各駅で名古屋市営地下鉄の各線と接続するため相互間の利用が終日にわたって多くなっています。そのため、特急以外の全ての列車が全駅停車となっています。また、大曽根駅を経由してナゴヤドームへ向かう人も多くいるため、名古屋~大曽根間は野球の試合などのイベントにかかる時間帯は非常に混雑しています。その後、矢田川と庄内川を越えて、これ以降は庄内川(岐阜県内は土岐川)と並行しながら、春日井市にある勝川駅に至ります。勝川駅を出て、春日井駅に向かうところで都会の喧噪に別れを告げ、車両基地(神領車両区)のある神領駅を通って、愛知環状鉄道と接続する高蔵寺駅に至ります。なお勝川~高蔵寺間は、瀬戸市と稲沢市を結ぶ瀬戸線(一部は現在の愛知環状鉄道線と東海交通事業城北線として開業)が並走する計画となっていたため、線増できるように土地を確保していましたが、現在は大半が民間に払い下げられ住宅が建ち並んでいます。高蔵寺駅を出ると、愛知環状鉄道と分かれながら濃尾平野内の名古屋都市圏から離れ、玉野渓谷に入ります。愛岐トンネルを抜けると岐阜県に入り、太多線が左側から合流して、多治見市にある多治見駅に至ります。多治見駅を出ると、今度は中央自動車道と並行し、盆地や台地を頻繁に上り下りしながら、土岐市、瑞浪市、恵那市を通って、土岐川と分かれたところで中津川市にある中津川駅に至ります。中津川駅までは線形が良く、特急とホームライナー(かつてはセントラルライナーも)で時速130km/h運転を行っています。

中津川駅を出ると、中央自動車道と分かれ、木曽川が並行するようになります。坂下~田立間で長野県に入り、南木曽町にある南木曽駅に至ります。この区間では、有名な妻籠宿・馬籠宿を通る旧中山道の山道から離れたところを通るため、鉄道で同地域に向かう場合には中津川駅もしくは南木曽駅でバスの乗り継ぎを必要とします。長野県に入ったところから木曽谷に入り、木曽川の渓谷に沿って渓谷美が楽しめます。中央線では最も風光明媚な場所ですが、単線区間があり、線形改良が出来ていないなど、制限速度が厳しい場所もあります。南木曽駅を出ると、大桑村を通り、上松町に入ったところに名勝「寝覚の床」があります。すぐ上を通るポイントでは、特急「しなの」も速度を落として運転することがあります。その後、森林鉄道のあった上松駅に至ります。上松駅を出ると、木曽町・木祖村と通って鳥居峠を越え、塩尻市に入ります。塩尻市に入ってしばらくは谷が続きますが、洗馬駅を出たところから松本盆地に入り、平地が現れます。その後も平地の中を走行し続け、東京方へつながる電留線が右手に見えると、北を向くようにして、塩尻駅に至ります。塩尻駅では「西線」と「東線」が背向しており、名古屋方面から西線を走ってきた定期列車はここから篠ノ井線を松本方面に向かい、逆に東線を甲府・新宿・東京方面に向かう定期列車が松本方面から直通してきます。


駅の紹介(名古屋~塩尻)

駅名\種別 普通区間快速快速ホームライナー特急
名古屋(CF00)
金山(CF01)
鶴舞(CF02) |
千種(CF03)
大曽根(CF04) |
新守山(CF05) |||
勝川(CF06) ||
春日井(CF07) ||
神領(CF08) |||
高蔵寺(CF09) |
定光寺(CF10) ||||
古虎渓(CF11) ||||
多治見(CF12)
土岐市(CF13) |
瑞浪(CF14) |
釜戸(CF15) -|
武並(CF16) -|
恵那(CF17) -
美乃坂本(CF18) -|
中津川(CF19) -
落合川 ---|
坂下 ---|
田立 ---|
南木曽(CF23) ---
十二兼 ---|
野尻 ---|
大桑 ---|
須原 ---|
倉本 ---|
上松(CF29) ---
木曽福島(CF30) ---
原野 ---|
宮ノ越 ---|
藪原 ---|
奈良井 ---|
木曽平沢 ---|
贄川 ---|
日出塩 ---|
洗馬 ---|
塩尻 ---

※記号の凡例 ○:停車、△:一部停車、|:通過、-:設定なし


車両(名古屋~塩尻)

特急・急行列車用車両

383系

普通・快速列車用車両

211系(中津川~塩尻)

313系(中津川~塩尻)

315系(名古屋~中津川)