JR東海315系電車

車両について

運用事業者 東海旅客鉄道(JR東海)
製造所 日本車輛製造
製造年 2021年(令和3年)~
製造数 112両
運用開始 1999年(平成11年)5月6日
運用路線 東海道本線(熱海~豊橋、大府~大垣)・中央本線(名古屋~中津川)・関西本線(名古屋~亀山)・武豊線・愛知環状鉄道線(瀬戸口~高蔵寺)
最高速度 130km/h
備考

JR東海315系電車

クイックアクセスガイド

車両の概要

車両の性能・仕様

形式

番台区分について

編成

車両についての見解


車両の概要

315系電車(315けいでんしゃ)は、東海旅客鉄道(JR東海)の直流通勤形電車です。

国鉄分割民営化前後に製造された211系・213系・311系の置き換えを目的として2020年(令和2年)1月22日に導入が発表され、2022年(令和4年)3月5日に中央本線の名古屋~中津川間で8両編成が営業運転を開始しました。4両編成は2023年(令和5年)6月1日より、関西本線の名古屋~亀山間において営業運転を開始しました。

これまでJR東海が新製導入した普通列車用電車はいずれも近郊形に区分されていましたが、本形式は初めて通勤型となりました【国鉄からの継承車両を含めれば、1999年(平成11年)まで主に中央本線の名古屋~中津川間で運用されていた103系以来となる】。

全車が日本車輌製造で製造され、同社の次世代ブランド「N-QUALIS(エヌクオリス)」を採用した第一号車両となっています。


車両の性能・仕様

車体構造

車体はステンレス鋼製を基本とし、先頭構体は鋼製となっています。外観の美観向上のため、レーザー溶接を採用しています。構造部材の配置を見直して強度向上を図ると共に、「N-QUALIS」の特徴でもある平滑な外板を実現しました。可動柵に対応するため、先頭車・中間車とも20,100mmで統一しています。車体幅は2,978mm、屋根高さは3,630mm、床面高さは1,140mmであり、313系と共通となっています。先頭構体形状は、低コスト化およびオフセット衝突対策のため、後退角ありの直線形状となっています。側面の連続窓は廃止し、窓部に吹寄柱を立てることで側面衝突対策としています。

外装色には白とコーポレートカラーのオレンジを採用しています。側面ドア上や側面窓の高さにオレンジのラインが配され、下部にかけて白いラインが入っています。前面は前面窓から貫通扉下部にかけて白く配色され、前面窓下部にオレンジ色の帯が入ります。楕円形のライトケースには、高輝度LEDを用いた前部・後部標識灯が収められています。

主電動機・制御装置・台車

制御装置は炭化ケイ素(SiC)をハイブリッド適用したIGBT素子を用いたVVVFインバータが採用されています。

台車は、HC85系気動車と同じ安全性向上台車を採用しており、日本車輌製造では「NS台車」と命名されています。横ばりと側ばりをプレス加工で一体化した構造として重要溶接部を313系と比べて約6割削減し、台車枠の信頼性を高め、検修時の探傷時間の短縮による省メンテナンス化を実現しました。軸箱支持方式にはタンデム式を採用し、上下荷重をコイルバネ、左右・前後荷重を前後に段違いで配置された円錐積層ゴムで負担するものとしています。

ブレーキ制御は電気指令式です。回生ブレーキを主、空気ブレーキを従として、編成全体のブレーキ力を確保する「T車遅れ込め機構」を有しており、空気ブレーキの作動を抑制することで褶動(しゅうどう)部のメンテナンス軽減を図っています。また、回生ブレーキは同一き電区間内に力行車両がないと失効しやすいことから、発電ブレーキ機構を一部の番台区分に搭載しています。さらに、回生ブレーキが失効した場合でも、その不足分のみを空気ブレーキと発電ブレーキで補うブレンディング制御を採用しており、回生効率の向上と回生失効時における衝動の抑制を図っています。これらのシステムは313系のものを継承しています。

また、N700S系の技術をフィードバックした非常走行用蓄電装置が設置され、制御伝送装置にはイーサネットを採用し、伝送速度の向上に繋げました。

車内仕様・サービス設備

座席はロングシートを配置しています。

側窓は固定式であり、車端部と扉間中央部の側窓の上部のみが内側に折れて開く構造を採用し、非常時の換気に備えています。窓ガラスには赤外線・紫外線を99%カットする複層UVカットガラスが採用され、日除けは省略となりました。

車内案内表示装置にはJR東海の普通列車用車両として初となる液晶ディスプレイが採用され、各ドア上に1基設置されています。また防犯カメラが1両5ヶ所、非常通報装置が1両3ヶ所設置されています。

戸閉装置(ドアエンジン)は、JR東海の車両では初めてとなる電気駆動式を採用しています。

空調装置にはAIが国内の鉄道車両で初めて採用され、常に制御の最適化が行われています。また8両編成中1両はJR東海の車両では初となる弱冷房車になっています。


形式

315系は以下の4形式から構成されています。各形式とも番台区分により機器・車内構成が異なっています。

モハ315形

中間電動車(M)です。VVVFインバータ制御装置を搭載するほか、一部の車両はSIVか空気圧縮機(CP)を搭載しています。

クハ315形

上り方(熱海・中津川・亀山方)の制御車(Tc1)です。車椅子スペースを備え、非常走行用インバータ、非常走行用蓄電池、空気圧縮機などを搭載しています。

クハ314形

下り方(大垣方)の制御車(Tc'1)です。車椅子スペースを備え、蓄電池、空気圧縮機などを搭載するほか、車内に身障者対応トイレが設置されています。

サハ315形

中間付随車(T)で、一部の車両は非常走行用インバータを搭載しています。


番台区分について

番台\設備 ワンマン
対応
編成両数配置
0番台 ×8両神領
3000番台 ×4両神領
静岡

編成

315系の編成は8両・4両の2種類が存在しています。

8両(0番台)

クハ315モハ315モハ315-500サハ315
サハ315-500モハ315モハ315-500クハ314

4両(3000番台)

クハ315モハ315モハ315-3500クハ314


車両についての見解

現在、準備中。