身延線

路線について

所在地 静岡県、山梨県
駅数 39駅
開業 1913年(大正2年)7月20日
距離 88.4km
複線以上が存在しているか ○(富士~富士宮間)
電化区間が存在しているか
最高速度 85km/h

身延線路線図

クイックアクセスガイド

路線の概要

路線の歴史

沿線の概況

駅の紹介

車両


路線の概要

身延線は、静岡県富士市の富士駅から山梨県甲府市の甲府駅に至る、東海旅客鉄道(JR東海)の鉄道路線(地方交通線)です。

駿河湾沿岸部から甲府盆地にかけて、富士山と赤石山脈(南アルプス)に挟まれた富士川の流域を走る山岳路線です。全線にわたり富士川の左岸(東側)を通り、本流を渡ることはありません。北側は甲府盆地内の鰍沢口駅、南側は西富士宮駅付近まで地形が開けており、沿線人口が多い両端部での区間運転も多くなっています。また中京地方以西と山梨県を行き来するには最も利用しやすい鉄道ルートで、静岡駅で東海道新幹線と接続する特急「ふじかわ」が運転され長距離輸送も担っています。

富士~西富士宮間はIC乗車カード「TOICA」の利用エリアに含まれています。


路線の歴史

1913年7月20日富士身延鉄道富士~大宮町(現在の富士宮駅)間開業(蒸気鉄道)。その区間内に入山瀬駅・富士根駅が開業。
1913年9月20日貨物駅として源道寺駅を新設。
1915年3月1日大宮町~芝川間開業。
1918年8月10日芝川~十島停留場間開業。
1918年10月8日十島停留場~内船南部(現在の内船駅)間開業。
1919年4月8日内船南部~甲斐大島間開業。
1920年5月18日甲斐大島~身延間開業。
1926年電化が決定し、この年から全線で電化工事が並行して実施。
1926年3月8日竪堀停留場を新設。
1927年6月20日富士~身延間が電化され、電車運転を開始。以後は開通時から電化。
1927年7月15日大宮西町駅(現在の西富士宮駅)を新設。
1927年11月5日竪堀停留場を駅に変更。
1927年12月17日身延~市川大門間開業。その区間内に甲斐下山駅(現在の波高島駅)・下部駅(現在の下部温泉駅)・甲斐常葉駅・久那土駅・甲斐岩間駅・鰍沢黒沢駅(現在の鰍沢口駅)が開業。
1928年3月30日市川大門~甲府間が開業し、全通。その区間内に甲斐上野駅・東花輪駅・西条常永駅(現在の常永駅)・国母駅・甲府南口駅(現在の南甲府駅)・善光寺停留場が開業。
1929年2月11日芦川停留場を新設。
1929年3月10日沼久保停留場を新設。
1929年3月26日井出福士停留場(現在の井出駅)を新設。
1929年2月11日稲子駅・小井川停留場・金手停留場を新設。
1929年2月11日貨物駅として井出側線駅を新設。
1930年甲斐下山駅を下山波高島駅に改称。
1930年6月1日落居停留場を新設。
1930年10月1日市川本町停留場を新設。
1930年12月25日源道寺駅を廃止し、源道寺停留場を新設。
1931年4月1日甲府住吉停留場(現在の甲斐住吉駅)を新設。
1931年9月20日井出側線駅を井出福士側線駅に改称。
1931年11月1日寄畑停留場を新設。
1931年12月1日井出福士側線駅を第二井出福士駅に改称。
1932年5月10日市ノ瀬停留場を新設。
1933年9月1日塩之沢停留場を新設。
1934年6月1日塩之沢停留場を駅に変更。
1934年7月1日本市場停留場(現在の柚木駅)を新設。
1936年6月22日十島停留場と井出福士停留場を駅に変更し、第二井出福士駅が井出福士駅に統合される。
1938年10月1日鉄道省に借り上げられ、すべての停留場が駅に変更される。井出福士駅を井出駅に、内船南部駅を内船駅に、下山波高島駅を波高島駅に、鰍沢黒沢駅を鰍沢口駅に、西条常永駅を常永駅に、甲府住吉駅を甲斐住吉駅に、甲府南口駅を南甲府駅に改称。
1941年5月1日国有化され身延線となる。
1942年10月1日大宮町駅を富士宮駅に、大宮西町駅を西富士宮駅に改称。
1945年頃戦災により、金手駅を休止。
1950年8月24日国鉄買収時に投入された車両4両が、島尻トンネル内で落雷によって切れた架線と接触し焼損。
1953年5月10日金手駅を再開。
1964年3月20日準急「富士川」の運転を開始。
1966年3月5日走行キロ100km以上の準急を急行に昇格し、「富士川」の中で身延線内のみ運転となる列車が準急「白糸」に改称される。
1968年10月1日準急「白糸」が急行「富士川」に統合され、全列車が静岡駅に乗り入れるようになる。
1969年9月28日富士~入山瀬間が高架・複線化し、経路を変更。竪堀駅と本市場駅を移転し、本市場駅を柚木駅に改称。
1971年3月29日富士根~富士宮間を複線化。
1972年3月13日入山瀬~富士根間を複線化。
1974年9月27日竪堀~入山瀬間が複線化され、富士~富士宮間の複線化が完成。
1981年8月31日戦前形旧型国電の営業運転が終了となり、115系2000番台に置き換えられる(62系を除く)。
1982年2月26日列車集中制御装置(CTC)の使用が開始される。
1987年3月21日国鉄最後のダイヤ改正で富士~富士宮間の区間列車を増発し、123系電車の営業運転を開始。
1987年4月1日国鉄分割民営化。東海旅客鉄道(JR東海)が継承し、日本貨物鉄道(JR貨物)が東花輪~甲府間の第二種鉄道事業者となる。富士~東花輪間の貨物営業を廃止。
1989年3月鰍沢口~甲府間の区間列車を増発
1990年3月10日富士~西富士宮間の一部列車でワンマン運転を開始。
1991年12月14日下部駅を下部温泉駅に改称。
1995年10月1日急行「富士川」を廃止し、特急「(ワイドビュー)ふじかわ」に昇格。
1999年6月1日313系電車の営業運転を開始。
1999年12月4日全線でワンマン運転を開始(一部列車を除く)。
2001年3月31日日本貨物鉄道の第二種鉄道事業(東花輪~甲府間)を廃止。
2003年10月1日ダイヤ改正により、特急の運転間隔の2時間パターン化を一部の列車を除いて実施される。
2004年2月1日身延CTC指令所を静岡総合指令所に統合。
2006年3月18日ダイヤ改正により、特急の停車駅が統一される。
2007年3月18日115系・123系の運用が終了。
2010年3月13日富士~西富士宮間で「TOICA」の利用が可能となる。
2011年3月14日~4月8日東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による輪番停電の影響で一部区間が運休。
2011年9月22日台風15号による盛土崩壊などの影響で西富士宮~甲府間が不通となり、特急「ふじかわ」が全列車運休となる。
2011年9月26日身延~甲府間が再開し、不通区間の代行バスの運転を開始。
2011年11月14日西富士宮~内船間が再開し、代行バスの運行区間が内船~身延間に短縮される。
2012年3月17日内船~身延間が再開したことによって、約半年ぶりに全線が復旧した。
2012年4月14日富士宮~西富士宮間が高架化。
2016年10月1日~10月2日甲斐上野~東花輪間の今川橋梁の架け替え工事実施に伴い、市川大門~東花輪間でバス代行輸送を実施した。
2018年3月30日臨時特急「身延線全通90周年富士川」が富士駅から甲府駅まで運行。

沿線の概況

線内の線形は25‰の勾配と半径200mの急曲線が連続し、中間の山岳区間では特急でも表定速度が50km/h程度に落ちます。さらに、列車交換待ちや長時間停車があり、88.4kmの全線でも、所要時間は2時間半から3時間半程度かかります。これは、6.5km短い木次線と比較すると、ほぼ同じか少し長いものとなっています。また、旧富士身延鉄道として建設された当時、狭小トンネルのままで電化されており、以来拡張工事などが行われていないことから、入線できる車両には車高制限があります。このためJR東海の全ての車両設計では、当路線よりも車両限界の小さな予讃線(JR四国)を運転する285系を除き、最狭隘となる身延線の車両限界を勘案することになっています。

富士市にある富士駅を出て、しばらくは平地を進みます。富士根駅を出たところで富士宮市に入り、浅間大社のある富士宮駅へと至ります。富士宮駅を出たところの西側700mの区間が高架化されています。この区間は路線と静岡県道414号(旧国道139号)が並走しており、県道や市道などの道路が踏切を越えるとすぐに県道414号との交差点に差し掛かるところであったために、慢性的な渋滞が発生していました。これを解消するために高架化工事が行われ、。高架化の際には日本で初めての施工となるプレキャストアーチ構造高架橋という工法が採用され、2012年に完成しました。高架区間を通り過ぎたところで、西富士宮駅に着きます。

西富士宮駅を出てからは山間部に入り、当路線は谷を通ります。西富士宮~稲子間は高さを稼ぐために、南側に曲線を描くようにして迂回しています。稲子駅を出ると、トンネルを通って、山梨県の南部町に入り、国道52号と中部横断自動車道が並行するようになります。内船駅を出て、しばらくしたところで、身延山久遠寺のある身延町に入ります。久那土駅を出たところにあるトンネルを抜けると市川三郷町に入りし、しばらく進んだところで、鰍沢口駅に着きます。

鰍沢口駅を出たところで甲府盆地に入り、当路線は国道52号と中部横断自動車道に別れを告げて、東に向かいます。市川三郷町役場に近い、市川本町駅を過ぎたところで再び北に向かい、甲斐上野駅を出た先の笛吹川を渡ったところで中央市に入ります。小井川駅付近で新山梨環状道路の下をくぐると昭和町に入ります。昭和町にある常永駅を出た後、しばらく進んだところで中央自動車道の下をくぐり、甲府市に入ります。甲府市に入った後は中心部を迂回するように進み、善光寺駅の付近で中央本線の線路と合流します。ここから甲府駅にかけて中央本線と並行して走り、中央本線側にプラットホームがない金手駅を過ぎると、甲府駅に着きます。善光寺~甲府間はこのような点から、JRの前身である日本国有鉄道(国鉄)の時代は、ほかの区間が静岡鉄道管理局管内であったのに対し、同区間は東京西鉄道管理局の管内となっていました。


駅の紹介

駅名\種別 普通特急
富士(CC00)
柚木(CC01) |
竪堀(CC02) |
入山瀬(CC03) |
富士根(CC04) |
源道寺(CC05) |
富士宮(CC06)
西富士宮(CC07) |
沼久保 |
芝川 |
稲子 |
十島 |
井出 |
寄畑 |
内船
甲斐大島 |
身延
塩之沢 |
波高島 |
下部温泉
甲斐常葉 |
市ノ瀬 |
久那土 |
甲斐岩間
落居 |
鰍沢口
市川大門
市川本町 |
芦川 |
甲斐上野 |
東花輪
小井川 |
常永 |
国母 |
甲斐住吉 |
南甲府
善光寺 |
金手 |
甲府

※記号の凡例 ○:停車、|:通過


車両

特急・急行列車用車両

373系

普通・快速列車用車両

211系(富士~西富士宮)

313系