東山線

路線について

所在地 愛知県
駅数 22駅
開業 1957年(昭和32年)11月15日
距離 20.6km
複線以上が存在しているか
電化区間が存在しているか
最高速度 65km/h

東山線路線図

クイックアクセスガイド

路線の概要

路線の歴史

沿線の概況

駅の紹介

車両


路線の概要

東山線は、愛知県名古屋市中川区の高畑駅から同市名東区の藤が丘駅に至る名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)の鉄道路線です。正式名称は名古屋市高速度鉄道第1号線となっています。ラインカラーは黄色(菜種色、ウィンザーイエロー)で、杉本健吉の提案による旧車両(黄電)の車体色に由来しています。

すべての駅でmanaca(2011年2月11日に導入)などの交通系ICカード全国相互利用サービス対応カードが使用できます。

名古屋市で最初に開業した地下鉄路線であり、同市内を東西に横断し、都心部の名駅地区(地下鉄のほかJR東海の新幹線・在来線・名鉄線・近鉄線・名古屋臨海高速鉄道の名古屋駅周辺)と栄を通って市東部を結んでいます。一社~上社間から藤が丘駅までは地上区間で高架線となり、本郷~藤が丘間で東名高速道路を跨いでいます。東端の藤が丘駅では愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)に接続し、名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)の鉄道路線で唯一、名東区を通っています。名古屋駅以西は太閤通をまっすぐ西へ進むルートにはなっておらず(桜通線の太閤通駅は太閤通りの地下に存在しているが、そこから西へ延伸する予定が現時点でない)、北へ迂回して亀島や本陣を経由し、中村公園駅以遠は起点の高畑駅まで南北に路線が敷かれています。全体的に浅い場所を走っていますが、1980年代に開業した高畑~中村公園間には15mを超える深さのホームを有する駅もあります。

名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)の中で最も利用者が多い鉄道路線であり、純利益額は日本の公営地下鉄では長らく大阪市交通局(大阪市営地下鉄)御堂筋線に次ぐ第2位でしたが、2018年4月1日を以って御堂筋線が大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)に移管され民営化されたため、公営地下鉄では第1位となりました。

名古屋市街の中でも主要部を走るため利用者は非常に多く、朝ラッシュ時には約2分間隔、夕方ラッシュ時は約3分間隔で列車が走り、日本国内でも有数の高頻度運行路線となっています。名古屋~栄間を中心に車内は終日混雑しており、また同市東部(本山~藤が丘間)も住宅密集地のため、終日にわたって比較的混雑しています。一方、名古屋駅以西はJR関西本線や近鉄名古屋線も八田駅・近鉄八田駅に停車すること、また都心からの直通バスが多く走っていることなどから、比較的空いています。

特に、1980年代には、最混雑区間である名古屋→伏見間の混雑率が250%を超えていましたが、1989年に今池駅までバイパス路線の役割を担う桜通線が開業した後は180%程度まで落ち着きました。その後も名城線の環状化、桜通線の延伸など他路線の利便性の向上に伴って輸送量の減少が続き、2010年度以降は混雑率が140%程度で推移しています。

建設当時の名古屋市の財政事情により建設費を抑制するために、トンネル断面を小さくして、小型車両が用いられています(仙台市交通局東西線・東京都交通局大江戸線・横浜市交通局グリーンライン・大阪市高速電気軌道長堀鶴見緑地線・同 今里筋線・神戸市交通局海岸線・福岡市交通局七隈線も同様であるが、これらの路線はリニアモーター式の車両が用いられている)。また、一社~上社間から藤が丘駅までは地下トンネルではなく高架線を建設して建設費を抑制しています。名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)で最初に開業した路線であるため、駅の雰囲気は全体的に古く、桜通線などの新規建設路線と比べると島式ホームが少なくなっています。

車両基地は、両端の藤が丘駅と高畑駅に存在しています。当初は栄駅の東側(今の路線の新栄町駅寄り。正式には車庫ではなく桜通線太閤通駅で見られた本線を使用した暫定的な検車区となっていた。池下延伸まで使われ、「栄町車庫」と呼ばれていた。現在もその名残りでトンネルの幅がやや広くなっている)や池下駅の北側(「池下車庫」と呼ばれ、愛知淑徳中学校・高等学校の旧敷地を活用したものであった。車庫の藤が丘移転後、敷地は旧愛知厚生年金会館として活用された)にありました。

2005年に開催された2005年日本国際博覧会(愛・地球博、愛知万博)を契機に、日本語のほか、在住者の多い英語・標準中国語・ポルトガル語(ブラジルポルトガル語)・朝鮮語の計5か国語による車内放送が、名古屋駅発車時(藤が丘行)と到着時(高畑行)、藤が丘駅到着時、そして藤が丘駅停車中(高畑行)に流れるようになり、万博閉幕後も継続されていましたが、2019年から駅到着時に駅ナンバリングの放送が導入されたことにより、見直されました。このことは、名古屋市内で地下鉄、名鉄などの主要駅や幹線道路沿いに5か国語表示の案内の設置を進める先駆けとなりました。

使用されている接近メロディは、藤が丘方面が「ドリーム」、高畑方面が「イエローライン」となっています。

2015年9月から2016年2月にかけて、高畑駅から順次各駅に可動式ホーム柵(ホームドア)が設置され、藤が丘駅を最後に全駅に設置が完了しました。これに伴い2015年9月1日のダイヤ変更から運転システムのATO化が行われましたが、これとほぼ同時に高畑~藤が丘間の所要時間が37分から40分と少し延びました。そして2016年7月1日から高畑~亀島駅間と池下~藤が丘間の各区間でワンマン運転が開始されました。亀島~池下間は従来通り車掌が乗務していました。2017年7月1日からは全線区間でワンマン運転が開始されています。

ホームドアは、女性専用車両が停車する位置のものは薄い黄色で、他は白色となっていますが、一部、駅の雰囲気に合わせ、女性専用車以外は異なった色で塗られていることも多くなっています。また、線路側に掲出されている駅名標には、各駅ごとに駅カラーを定めています。

2018年現在、高畑駅以南港区方面は名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線(あおなみ線)、藤が丘駅以東長久手市方面は愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)が存在するため延伸計画は全くありませんが、1960年代には延伸計画があり、その後様々な理由で中止となりました。藤が丘駅から先への線路は東方の藤が丘車庫への車庫線のほか、北へ若干延びて引き上げ線として使われていますが、守山区や尾張旭市方面への延伸計画は元より存在していません。


路線の歴史

1957年11月15日1号線として名古屋~栄町(現在の栄駅)間開業。100形電車の運転を開始。
1960年6月15日栄町~池下間開業。
1960年10月21日名古屋~栄町間でATO(自動列車運転装置)の本格的テストが開始(1962年8月に終了)。
1963年4月1日池下~東山公園間開業。
1964年200形電車の運転を開始。
1966年6月1日伏見町駅を伏見駅に、栄町駅を栄駅に改称。
1967年3月30日東山公園~星ヶ丘間開業。300形電車の運転を開始。
1969年4月1日中村公園~名古屋間、星ヶ丘~藤ヶ丘(現在の藤が丘駅)間開業。
1969年4月25日1号線の愛称を東山線とし、同年5月1日から使用を開始する{愛称決定までは、2号線(現在の名城線)の南北線に対して「東西線」と呼称する場合もあった}。
1970年12月10日上社駅を新設。
1980年6月2日5000形電車の運転を開始。
1982年9月21日高畑~中村公園間開業。
1983年700形(100形・200形の中間車)改造の250形電車が登場。
1988年100形電車の営業運転が終了する。
1990年200形電車の営業運転が終了する。
1992年5月17日5050形電車の運転を開始。
1999年250形・700形電車の営業運転が終了する。
2000年4月11日300形電車の営業運転が終了する。
2002年9月30日女性専用車両を試行導入(2003年から本格実施)。
2004年3月37日保安方式を打子式ATS(自動列車停止装置)からCS-ATC(自動列車制御装置)に、ホームの旅客案内装置を内照式からLED式にそれぞれ変更。
2004年10月6日藤ヶ丘駅を藤が丘駅に改称。
2007年3月19日全駅で列車到着前の接近チャイムに代わり接近メロディを導入。
2008年3月26日N1000形電車の運転を開始。
2008年5月1日地上区間(上社~藤が丘間)で車内灯消灯を実施。
2014年7月4日金曜日および休日前日の最終列車の延長運転を開始。
2015年4月1日女性専用車両の実施時間帯を平日の全時間帯に拡大。
2015年8月30日5000形電車の営業運転が終了する。
2015年9月1日可動式ホーム柵設置を考慮したダイヤ改正の実施とともに、全列車のATO(自動列車運転装置)運転化を実施。
2015年9月7日高畑駅から順次可動式ホーム柵の運用を開始する。
2016年2月29日藤が丘駅の可動式ホーム柵の運用を開始し、この日をもって東山線全駅の可動式ホーム柵の整備が完了した。
2016年7月1日高畑~亀島間と池下~藤が丘間でワンマン運転を開始。
2017年7月1日全線でワンマン運転を開始。
2019年2月1日車内放送で英語のみ駅ナンバリング放送を開始。

沿線の概況

中川区にある高畑駅を出て、豊国通の地下を北に進み、JRと近鉄に乗り換えることができる八田駅に着きます。八田駅を出るところで中村区に入り、中村公園駅を過ぎたところで鳥居通の地下を北東に進みます。中村区役所が近くにある本陣駅を出たところで県道200号線の地下を東に進み、亀島駅を出たところで少しの間、西区を通って市道の地下を南東から南にかけて進み、JRや名鉄、近鉄、あおなみ線と桜通線に乗り換えることができる名古屋駅に着きます。

名古屋駅を出た後は錦通の地下を東に進み、堀川の下をくぐったところで中区に入ります。鶴舞線と乗り換えることができる伏見駅を過ぎ、名城線と名鉄に乗り換えることができる栄駅を過ぎると東区に入ります。JRと乗り換えることができる千種駅に入るところで千種区に入り、桜通線と乗り換えることができる今池駅を過ぎて、覚王山駅の手前のところからは県道60号線の地下を東に進みます。名城線と乗り換えることができる本山駅を過ぎて、東山動植物園の出入り口に近い東山公園駅を通ると、星ヶ丘駅に着きます。

星ヶ丘駅を出てしばらくしたところで名東区に入り、一社駅を過ぎたところから地上に上がって高架橋を上ります。その後は住宅地の中を通り、名東区役所や東名高速道路の名古屋インターチェンジに近い本郷駅を出た後は北にカーブを取って、藤が丘駅に着きます。


駅の紹介

駅名\種別 普通
高畑(H01)
八田(H02)
岩塚(H03)
中村公園(H04)
中村日赤(H05)
本陣(H06)
亀島(H07)
名古屋(H08)
伏見(H09)
栄(H10)
新栄町(H11)
千種(H12)
今池(H13)
池下(H14)
覚王山(H15)
本山(H16)
東山公園(H17)
星ヶ丘(H18)
一社(H19)
上社(H20)
本郷(H21)
藤が丘(H22)

※記号の凡例 ○:停車


車両

5050形

N1000形