名鉄各務原線

路線について

所在地 岐阜県
駅数 18駅
開業 1926年(大正15年)1月21日
距離 17.6km
複線以上が存在しているか
電化区間が存在しているか
最高速度 100km/h

名鉄各務原線路線図

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路線の概要

路線の歴史

沿線の概況

駅の紹介

車両


路線の概要

各務原線(かかみがはらせん)は、岐阜県岐阜市の名鉄岐阜駅から岐阜県各務原市の新鵜沼駅までを結ぶ名古屋鉄道(名鉄)の鉄道路線です。

『鉄道要覧』による起点は名鉄岐阜駅となっていますが、列車運行および旅客案内、列車番号の設定においては、新鵜沼駅から名鉄岐阜駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっています。

本項では、かつてこの路線を運営していた各務原鉄道(名岐鉄道に合併)についても述べています。

岐阜市~各務原市間を結んでいるほか、岐阜回りで名古屋本線または新鵜沼回りで犬山線を経て名古屋への通勤・通学路線となっています。全線で東海旅客鉄道(JR東海)の高山本線と並走しています。運賃や所要時間は高山本線に劣りますが、各務原線の方が運転本数と利用者数では勝っています(現在、三柿野~新鵜沼間の日中の運転本数は同等となっている)。

各務原市内には航空自衛隊岐阜基地がありますが、太平洋戦争までは陸軍各務原飛行場などが置かれ、軍事路線として基地の引き込み線も設置されていました。

途中駅は新那加駅を除くすべての駅が無人駅となっています。名鉄岐阜~田神間には田神線を経由して美濃町線の路面電車が乗り入れていましたが、2005年4月1日に田神線と美濃町線が廃止されたため、両線からの直通運転もなくなりました。田神線の直通運転が行われていた頃は、分岐駅である田神駅に急行や準急が停車しなかったため、新岐阜(2005年から名鉄岐阜駅)~田神間では特例乗車制度により田神線と各務原線を直通利用する場合に限って重複乗車が認められていましたが、田神線の廃止と共にこの制度も廃止されています。

全体的に平坦となっていますが、羽場~鵜沼宿間に33.3パーミルという当線の最急勾配区間が存在しています。この駅間が木曽川の河岸段丘である各務原台地の端にあたるためで、新鵜沼方面に向かって下り勾配となっています。また緩いカーブの多い線形で、実際の通常ダイヤにおける最高速度は90km/h程度となっています。特に名鉄岐阜~田神間は急カーブの連続で区間最高速度が40km/hとなっています。

1960年代に高富線・鏡島線、2001年に谷汲線・八百津線、2005年に残る600V線の田神線・美濃町線・岐阜市内線・揖斐線が廃止された後は、各務原線は竹鼻線・羽島線とともに名鉄としては数少ない愛知県内を全く通過しない岐阜県内のみで完結する路線となっています。多くの列車が当線の終点の新鵜沼駅から犬山線に直通して愛知県の犬山駅へ行きますが、日中の一部は三柿野駅で名鉄岐阜方面へ折り返す岐阜県内完結列車となっています。


路線の歴史

1926年1月21日各務原鉄道(美濃電気軌道の子会社)安良田(初代、現在の名鉄岐阜~田神間に存在し、後に廃止)~補給部前(現在の三柿野駅)間開業。
1926年7月7日各務野駅(初代)を新那加駅に、補給部前駅を各務野駅(2代)に改称。
1926年8月1日各務野~二聯隊前(現在の名電各務原駅)間開業。
1927年9月20日二聯隊前~東鵜沼(現在の新鵜沼駅)間開業。
1928年12月28日長住町(現在の名鉄岐阜駅)~安良田間が開業し、全通。安良田駅(初代)を廃止。
1931年2月5日東鵜沼駅を新鵜沼駅に改称。
1931年6月27日各務野駅(2代)を各務補給部前駅に改称し、現在地に移転。
1931年9月5日安良田駅(2代)を新設。
1932年4月9日二聯隊前~苧ヶ瀬間に臨時駅として競馬場前駅を設置。
1935年3月28日各務原鉄道が名岐鉄道(同年8月1日に名古屋鉄道に改称)に吸収合併される。
1935年8月1日名岐鉄道が社名を名古屋鉄道に改称し、各務補給部前駅を航空廠前駅に改称。
1937年10月1日以前六軒駅を飛行団前駅に改称。
1938年7月18日長住町~田神間を複線化。
1938年11月28日高農(現在の市民公園前駅)~飛行団前間を複線化。
1938年12月1日防諜目的により、一聯隊前駅を各務原運動場前駅(現在の各務原市役所前駅)に、飛行団前駅を六軒駅に、航空廠前駅を三柿野駅に、二聯隊前駅を名電各務原駅に改称。
1939年競馬場前駅を廃止。
1939年6月1日新加納~高農間を複線化。
1940年1月14日六軒~三柿野間を複線化。
1940年9月21日田神~細畑間を複線化。
1942年6月23日三柿野~二十軒間を複線化。
1942年10月22日二十軒~苧ヶ瀬間を複線化。
1944年安良田駅(2代)・高田橋駅・高農駅・羽場駅を休止。
1945年6月22日各務原空襲により、六軒駅、三柿野駅等が被災した。
1945年10月米(アメリカ)軍鉄道司令部により、基地への専用線の敷設工事が開始した。
1946年9月15日高田橋駅と高農駅を再開。
1946年10月旧滑走路をまたぐ、基地補給部への専用線が完成。
1947年10月15日羽場駅を再開。
1948年4月18日長住町駅と名岐線(現在の名古屋本線)新岐阜駅(初代)を統合し、駅名を新岐阜駅(2代)に改称。
1949年12月1日高農駅を農大前駅に、各務原運動場前駅を運動場前駅に改称。
1954年10月1日農大前駅を岐阜大学前駅に改称。
1958年1月10日安良田駅(2代)を廃止。
1958年基地内専用線が基地の米(アメリカ)軍撤退と、航空自衛隊の設置に伴う滑走路延長のため、廃止。
1960年11月1日運動場前駅を各務原飛行場駅に改称。
1964年3月15日苧ヶ瀬~新鵜沼間が複線化され、全線の複線化が完成。架線電圧を1500Vに昇圧し、犬山線との直通運転を開始。最高速度を65km/hから85km/hに向上。
1965年10月1日各務原線と各務原飛行場駅、名電各務原駅の「各務原」の部分の読みを、「かがみはら」から市名と同じ読みとなる「かかみがはら」に変更。
1966年10月6日鶴田町信号所を廃止。
1970年6月25日田神線の開業により、新岐阜~田神間で美濃町線の電車の乗り入れを開始。
1989年11月10日岐阜大学前駅を市民公園前駅に改称。
2000年3月21日ダイヤ改正により、犬山線直通急行の一部が新岐阜~三柿野間で各駅停車となった。
2001年10月1日ダイヤ改正により、犬山線直通急行が当路線内各駅停車となり、代替として、犬山駅発着の列車が三柿野~新鵜沼(~犬山)間で急行運転をするようになった。
2003年3月27日犬山駅発着列車の日中の急行運転区間を新那加~新鵜沼(~犬山)間に変更。
2005年1月29日新岐阜駅を名鉄岐阜駅に、各務原飛行場駅を各務原市役所前駅に改称。新那加駅の「那」の表記を旧字体から標準字体に変更。
2005年4月1日田神線と美濃町線の廃止に伴い、名鉄岐阜~田神間の美濃町線の電車の乗り入れを廃止。
2006年12月16日名鉄岐阜~新那加間の全駅にトランパスを導入。
2007年3月14日新那加~新鵜沼間の全駅にトランパスを導入し、各務原線全駅のトランパス導入を完了。
2007年6月30日これまで平日のみだった夕方の名鉄岐阜~新那加間での急行運転を土曜・休日にも拡大し、名鉄岐阜~三柿野間運転の列車を増発。
2008年12月27日全列車が名鉄岐阜~新鵜沼(~犬山)間の運行となり(朝ラッシュ時を除く)、夕方の名鉄岐阜~新那加間の急行運転を廃止。
2011年3月26日ダイヤ改正により快速急行の運行を開始し、準急を廃止。
2021年5月22日ダイヤ改正により最終の名鉄岐阜発犬山行きの時刻を約11分繰り上げ。朝の三柿野駅始発のミュースカイが新鵜沼駅発に変更されたことで、各務原線内のミュースカイを廃止。
2021年10月30日ダイヤ改正により日中の半数の列車(新那加駅~犬山線犬山駅で急行運転をしていた方)の運行区間を名鉄岐阜~三柿野間に短縮し、三柿野~新鵜沼間の運転本数が普通のみ毎時2本に減少となった。
2023年3月18日ダイヤ改正により当路線運行列車の犬山線犬山駅以南との直通を廃止し、急行と快速急行を廃止(全列車が名鉄岐阜~三柿野・犬山間運転の普通列車となる)。また、全線でワンマン運転を開始。

沿線の概況

岐阜市にある名鉄岐阜駅を出て、全区間にわたり、JR高山本線や国道21号線と並行します。住宅地の中を通り、田神駅の先で名鉄田神線が分かれていたところを過ぎたところで、JR高山本線の上をまたぎます。高田橋駅を出たところで各務原市に入り、各務原市役所前駅から二十軒駅の間は航空自衛隊岐阜基地のすぐ近くを通ります。その後は田園地帯もある中を通って、新鵜沼駅に着きます。


駅の紹介

駅名\種別 普通
名鉄岐阜(NH38)
田神(KG16)
細畑(KG15)
切通(KG14)
手力(KG13)
高田橋(KG12)
新加納(KG11)
新那加(KG10)
市民公園前(KG09)
各務原市役所前(KG08)
六軒(KG07)
三柿野(KG06)
二十軒(KG05)
名電各務原(KG04)
苧ヶ瀬(KG03)
羽場(KG02)
鵜沼宿(KG01)
新鵜沼(IY17)

※記号の凡例 ○:停車


車両

通勤形車両

3500系

9500系・9100系