御殿場線

路線について

所在地 神奈川県、静岡県
駅数 19駅
開業 1889年(明治22年)2月1日
距離 60.2km
複線以上が存在しているか ×
電化区間が存在しているか
最高速度 110km/h

御殿場線路線図

クイックアクセスガイド

路線の概要

路線の歴史

沿線の概況

駅の紹介

車両


路線の概要

御殿場線は、神奈川県小田原市の国府津駅から静岡県御殿場市の御殿場駅を経て静岡県沼津市の沼津駅に至る、東海旅客鉄道(JR東海)の鉄道路線(幹線)です。

1889年(明治22年)に東京~大阪間を結ぶ鉄道(1909年に東海道本線と命名)の一部として開業し、複線化も行われていましたが、1934年(昭和9年)12月1日の丹那トンネル開通に伴い、東海道本線は熱海駅経由に変更され、国府津~沼津間は支線の御殿場線となりましたた。なお鉄道唱歌の歌詞は、丹那トンネル開通前に発表されたため、国府津~沼津間が現在の御殿場線経由となっています。

第二次世界大戦中の1944年(昭和19年)には、不要不急線に指定されて単線化され、レールなどの資材は回収されて他の路線の建設に転用されました。しかし現在もなおトンネルや橋脚などに複線時代の面影が残っています。また、大幹線である東海道本線から一ローカル線の御殿場線に転じたのちも、1992年に発生した東海道線来宮駅構内列車衝突事故の際などには、不通になった東海道本線のバイパスとしての役割を果たし、寝台列車が当路線経由で運行されました。

松田~御殿場間においては、JRの前身である日本国有鉄道(国鉄)時代の1955年(昭和30年)から小田急電鉄小田原線新宿駅方面からの優等列車の乗り入れが行われ、東京都心~御殿場地区間のアクセスルートのひとつとなっています。国鉄時代は準急、1968年から急行、JR化後の1991年(平成3年)3月16日には特急に格上げされ、それから2012年3月16日までの間は乗り入れ区間が沼津駅まで延長されていました。

JR東海が管轄する在来線では唯一神奈川県に乗り入れている路線となっており、同社在来線の最東端の路線となっています。前述の歴史的経緯から東日本旅客鉄道(JR東日本)管理の国府津駅から沼津方面に向かう方が下りとなっています。

2010年3月13日から御殿場~沼津間に、2019年3月2日から下曽我~足柄間に、2021年3月13日から国府津駅にIC乗車カード「TOICA」が導入されました。また、松田駅では小田急直通の特急「ふじさん」を利用する旅客専用に、運賃計算上の同一駅扱いである小田急新松田駅の入場・出場としてIC乗車カードを処理できる機器が設置されています。


路線の歴史

1889年2月1日国府津~御殿場~沼津(~静岡)間開業。その区間内に松田駅・山北駅・小山駅(現在の駿河小山駅)・御殿場駅・佐野駅(現在の裾野駅)が開業(他にも現在の東海道本線に相当する区間内に4駅あり)。
1891年1月12日御殿場~沼津間を複線化。
1891年3月1日小山~御殿場間を複線化。
1896年御殿場~佐野間に神山ブロック取扱所(合図所)を開設。
1896年4月1日線路名称制定により、東海道線の一部となる。
1898年6月15日三島駅(初代、現在の下土狩駅)を新設。
1900年度神山合図所を信号所に変更。
1901年2月5日国府津~山北間を複線化。
1901年6月11日山北~小山間を複線化。
1903年1月20日小山~御殿場間に足柄信号所(現在の足柄駅)を開設。
1907年3月15日山北~小山間に谷峨信号所(現在の谷峨駅)を開設。
1909年10月12日線路名称制定により、東海道本線の一部となる。
1911年5月1日国府津~松田間に下曽我信号所(現在の下曽我駅)を、御殿場~佐野間に富士岡信号所(現在の富士岡駅)と岩浪信号所(現在の岩波駅)を開設し、神山信号所を廃止。
1912年7月1日小山駅を駿河駅に改称。
1912年7月18日岩浪信号所を岩波信号所に改称。
1914年9月13日山北~谷峨信号所間に竹ノ下仮信号所を開設。
1915年2月15日山北~谷峨信号所間に酒匂仮信号所(初代)を、谷峨信号所~駿河間に相沢仮信号所を開設。
1915年6月20日酒匂仮信号所(初代)と相沢仮信号所を廃止。
1915年7月10日駿河~御殿場間に松沢仮信号所を開設。
1915年7月15日佐野駅を裾野駅に改称。
1915年8月30日松沢仮信号所と竹ノ下仮信号所を廃止。
1916年8月28日山北~谷峨信号所間に酒匂仮信号所(2代)を開設。
1916年11月6日酒匂仮信号所(2代)を廃止。
1922年4月1日信号所を信号場に変更。
1922年5月15日下曽我信号場が駅に昇格し、下曽我駅となる。
1925年4月9日山北~谷峨信号所間に酒匂仮信号場を開設(廃止日不詳)。
1934年10月1日三島駅(初代)を下土狩駅に改称。
1934年12月1日丹那トンネルが完成し、国府津~御殿場~沼津間が御殿場線となる。
1943年7月11日全線を単線化。
1944年8月1日富士岡信号場が駅に昇格し、富士岡駅となる。
1944年12月8日岩波信号場が駅に昇格し、岩波駅となる。
1946年1月15日大岡駅を新設。
1947年7月15日谷峨信号場が駅に昇格し、谷峨駅となる。
1947年9月15日足柄信号場を移転した上で駅に昇格し、足柄駅となる。
1948年6月1日上大井駅を新設。
1952年1月1日駿河駅を駿河小山駅に改称。
1955年9月1日旅客列車に気動車を導入。
1955年10月1日小田急電鉄の新松田~松田間の連絡線が開業し、新宿~御殿場間直通の準急の運転を開始。小田急電鉄はキハ5000形気動車を新造し、小田急電鉄の乗務員が全区間を通しで担当した。
1956年12月25日東山北駅と相模金子駅を新設。
1962年10月1日南御殿場駅を新設。
1968年4月27日国府津~御殿場間が電化し、東京~御殿場間で電車急行「ごてんば」の運転を開始。
1968年7月1日御殿場~沼津間を電化し、全線の電化が完了した。小田急電鉄からの乗り入れ車両がキハ5000形気動車から3000形電車「SE」に置き換えられ、名称が「あさぎり」に統一された。
1968年10月1日直通の準急の種別が急行に昇格された。
1979年10月16日72系電車のさよなら運転を実施。それ以降の線内運転列車は115系となる。
1982年11月15日下曽我~沼津間の貨物営業を廃止。
1985年3月14日急行「ごてんば」を廃止。
1987年4月1日国鉄分割民営化。東海旅客鉄道(JR東海)が継承し、日本貨物鉄道(JR貨物)が全線の第二種鉄道事業者となる(下曽我~沼津間の貨物営業を再開)。
1989年10月富士岡駅と岩波駅に交換設備を新設。
1989年12月16日全線に列車集中制御装置(CTC)を導入。
1990年3月10日自動進路制御装置(PRC)の使用を開始し、御殿場~沼津間の普通列車を朝20分間隔、昼夕30分間隔に増発。
1991年3月16日新宿~御殿場間直通の急行「あさぎり」の種別が特急に昇格され、運転区間を新宿~沼津間に変更した上でJR東海との相互乗り入れとなる(乗務員は松田駅で交代)。JR東海は371系電車を新造し、小田急電鉄からの乗り入れ車両は3000形電車「SE」から20000形電車「RSE」に置き換えられた。
1994年11月27日御殿場線60周年記念でキハ80系気動車を使用した「御殿場線60周年記念号」が沼津~下曽我間で運転された。
1994年12月4日丹那トンネル開通60周年記念でEF58形プッシュプルと14系客車を使用した「丹那隧道60周年記念号」が函南~沼津~御殿場~国府津~熱海~沼津間で運転された。
1999年6月1日313系電車の営業運転を開始。
1999年12月4日全線でワンマン運転を開始(一部列車を除く)。
2002年9月7日長泉なめり駅を新設。
2004年10月16日ダイヤ改正により、東京駅直通列車が1往復のみとなる。
2004年2月1日身延CTC指令所を静岡総合指令所に統合。
2004年11月20日・21日御殿場線70周年記念でEF58形重連と14系客車を使用した「御殿場線70周年記念号」が運転された。
2007年2月14日115系の運用が終了。
2007年3月16日113系の運用が終了。
2007年3月18日ダイヤ改正により、上りの東京駅直通列車が国府津行に短縮され、東京駅直通列車は下りのみとなる。
2010年3月13日御殿場~沼津間で「TOICA」の利用が可能となる。
2012年3月17日新宿~沼津間直通の特急「あさぎり」の運転区間が特急昇格前の新宿~御殿場間に短縮される。JR東海が運行から撤退し、特急昇格前と同じ、小田急電鉄からの片乗り入れとなる。小田急電鉄からの乗り入れ車両は2000形電車「RSE」から60000形電車「MSE」に置き換えられた。また、東京駅直通列車とJR東日本の車両を使用した列車も廃止となった。
2018年3月17日特急「あさぎり」を「ふじさん」に改称。
2018年12月2日小田急トラベル主催の「MSE運行10周年記念ツアー」用の団体臨時列車として、「メトロあさぎり号」が東京地下鉄(東京メトロ)千代田線綾瀬~御殿場間で運転された。
2019年3月2日下曽我~足柄間で「TOICA」の利用が可能となる。
2021年3月13日国府津駅で「TOICA」の利用が可能となる。

沿線の概況

神奈川県小田原市にある国府津駅を出ると東海道本線を左側に離して内陸に入り、やがて右側に曽我梅林を見ながら、梅林の最寄り駅となる下曽我駅に到着します。その後も酒匂川沿いの低地を北上しながら、大井町を通って松田町に入り、小田急電鉄小田原線の上を通過すると、特急「ふじさん」が運転される同線との連絡線が右側から合流し、松田駅に至ります。

松田駅からは酒匂川との距離が近くなり、国道246号や東名高速道路と並行していきます。時にはそれらと交差するところもあります(駿河小山~南御殿場間は国道246号は裾野バイパスとなり、やや北側に離れる)。山北町に入ったところでカーブと急勾配が発生し、そのカーブと急勾配は神奈川・静岡両県の県境を越えたところの静岡県小山町に入っても続きます。その後、御殿場市に入ったところでほぼ最高点となる場所に到達し、そこに御殿場駅があります。同駅は沼津駅を除くと線内最大の駅で、観光客・ビジネス客などで多くの乗降があります。

ここからは黄瀬川に沿って、富士山の東麓斜面を駆け下ります。車窓右側(西側)には富士山が広がり、特に御殿場駅近辺では遮るものなく間近に迫ります。この辺では丁度宝永火口が正面に見えます。25‰の勾配の途中で裾野市に入ります。その中に設けられている富士岡駅と岩波駅では、東海道本線時代に使用されていたスイッチバックの跡が残されています。裾野駅の手前で東名高速道路が右側(西側)に離れると徐々に勾配が緩やかになり、長泉町に入ります。かつて三島駅を名乗っていた下土狩駅の先では東海道新幹線が上を通ります。その後、沼津市に入り、愛鷹山が手前に見える頃に沼津駅に到着します。また、全線で常に左側には箱根山の外輪山を見ることになります。


駅の紹介

駅名\種別 普通特急
国府津(CB00) -
下曽我(CB01) -
上大井(CB02) -
相模金子(CB03) -
松田(CB04)
東山北(CB05) |
山北(CB06) |
谷峨(CB07) |
駿河小山(CB08)
足柄(CB09) |
御殿場(CB10)
南御殿場(CB11) -
富士岡(CB12) -
岩波(CB13) -
裾野(CB14) -
長泉なめり(CB15) -
下土狩(CB16) -
大岡(CB17) -
沼津(CB18) -

※記号の凡例 ○:停車、△:一部停車、|:通過、-:設定なし


車両

特急・急行列車用車両

60000形(松田~御殿場・小田急電鉄)

普通・快速列車用車両

211系

313系