伊勢鉄道伊勢線

路線について

所在地 三重県
駅数 10駅
開業 1973年(昭和48年)9月1日(前身路線として)
1987年(昭和62年)3月27日(伊勢鉄道として)
距離 22.3km
複線以上が存在しているか ○(河原田~中瀬古間)
電化区間が存在しているか ×
最高速度 110km/h

伊勢鉄道伊勢線路線図

クイックアクセスガイド

路線の概要

路線の歴史

沿線の概況

駅の紹介

車両


路線の概要

伊勢鉄道伊勢線(いせせん)は、三重県四日市市の河原田駅から三重県津市の津駅に至る鉄道路線です。

なお、この路線の前身となった国鉄伊勢線(いせせん)についても本項で記述します。

従来、名古屋・四日市方面と南紀(尾鷲・新宮)・伊勢志摩(伊勢市・鳥羽)方面間を行き来するためには、四日市市から津市の間で伊勢湾沿岸から外れて、関西本線・紀勢本線の結節点である亀山駅を経由しなければならない上に、同駅で列車の方向転換が必要とされており、所要時間の面で障害となっていました。このため、関西本線の南四日市駅と紀勢本線の津駅の間を方向転換せずに短距離で結ぶ短絡線として日本鉄道建設公団(鉄建公団)により主要幹線(C線)として1965年11月から建設され、1973年9月1日に日本国有鉄道(国鉄)伊勢線として開業しました。また、1962年(昭和37年)には中南勢地区に伊勢線から分岐する臨港鉄道としての南伊勢線が予定線に指定されました。

しかし、伊勢線沿線の工業開発計画は四日市ぜんそくに端を発して猛反対に遭い、第1次オイルショックもあってやがて頓挫してしまい、南伊勢線の建設も凍結されてしまいました。このことから伊勢線の開業時には1日に特急「くろしお」1往復、急行「紀州」(いずれも特急「南紀」の前身)3往復、普通7往復しか運転されなかった上、伊勢線を経由する貨物列車は運転されず、関西線名古屋・四日市方面と紀勢線津以南方面間を往復する貨物列車は亀山経由で運転され続けました。並行している近畿日本鉄道(近鉄)名古屋線では伊勢線開業当時は1日あたり特急44往復、急行34往復、準急9往復、普通62往復運転され、同社には鈴鹿線もあるため、伊勢線は全くと言ってよいほど利用されませんでした。

そのため、この路線単独での利用者数は伸び悩み、開業10年後の1983年(昭和58年)には営業係数(100円の収入を得るときに必要となる経費)が646という超赤字路線となった上に、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法(国鉄再建法)にてバス転換が妥当とされた輸送密度4,000人/日未満を下回った(1981年〈昭和56年〉度当時1,495人/日)ため、第2次特定地方交通線に選定されました。本路線は従来の市街地を外れた場所を走行していた区間が多かったため、利用者からの廃止反対運動は盛り上がらず、行政側が中心となって陳情運動を行うこととなり、1986年に第三セクター鉄道への転換が決定すると翌1987年3月27日に伊勢鉄道の路線となりました。伊勢鉄道への移管時に起点を河原田駅に変更し、現在も特急「南紀」や快速「みえ」が当路線を通り名古屋と鳥羽・新宮方面の間に運転されています。 なお、2014年(平成26年)度の輸送密度は約3,707人/日となっています。

建設当初から全線に亘って複線分の用地が確保され、将来の電化に備えて架線柱用の用地または架線柱の基礎があり、ほとんどが高架になっているなど幹線級の設備を持っています。また、津駅北方には紀勢本線亀山方面への線路を乗り越える将来の四日市方面への線路用となる立体交差用の橋梁が架設済みとなっており、踏切は鈴鹿市内(鈴鹿~玉垣間)に1か所存在するのみとなっています。


路線の歴史

1973年9月1日国鉄伊勢線南四日市~津間開業。その区間内に鈴鹿駅・玉垣駅・稲生駅(現在の鈴鹿サーキット稲生駅)・中瀬古駅・河芸駅・東一身田駅が開業。河原田~津間が経路特定区間となり、南四日市~河原田間は関西本線と線路名称が重複する区間となった。
1973年10月1日特急「くろしお」のうち名古屋発着の1往復と急行「紀州」の一部列車が亀山駅経由から当線経由に変更となる(寝台急行→寝台特急「紀伊」は廃止まで亀山駅経由)。
1978年10月2日名古屋発着の特急「くろしお」が廃止となり、特急「南紀」の運転が開始される。
1982年5月17日一部列車が当線を経由・停車(鈴鹿駅)していた急行「紀州」がすべて亀山駅経由と変更となる(その後、1985年3月13日に廃止)。
1984年6月22日第2次特定地方交通線として承認。
1986年9月29日伊勢線を伊勢鉄道へ転換することが決定される。
1986年10月1日伊勢鉄道が設立。
1987年3月27日伊勢鉄道に転換し、起点が河原田駅となる。伊勢上野駅を新設し、稲生駅を鈴鹿サーキット稲生駅に改称。
1990年3月10日快速「みえ」の運転を開始。
1990年8月1日最高速度が85km/hから95km/hに引き上げられる。
1991年3月16日徳田駅を新設し、最高速度が95km/hから110km/hに引き上げられる。
1993年3月7日河原田~玉垣間が複線化。
1993年7月4日玉垣~中瀬古間が複線化。
2008年3月15日貨物営業{日本貨物鉄道(JR貨物)の第二種鉄道事業}を開始し、定期貨物列車を設定。
2008年8月1日駅ナンバリングを導入。
2013年3月16日定期貨物列車を廃止。
2016年4月1日貨物営業{日本貨物鉄道(JR貨物)の第二種鉄道事業}を廃止。
2018年徳田~東一身田間の各駅に接近放送装置を設置。

沿線の概況

四日市市にある河原田駅を出てすぐに鈴鹿市に入り、鈴鹿川を渡ります。その後は田園地帯を通り、鈴鹿駅の手前では近鉄鈴鹿線の上を跨ぎます。徳田駅を出たところで中ノ川を渡り、中瀬古駅を出たところで津市に入ります。伊勢上野駅を出たところで近鉄名古屋線と並行するようになり、東一身田駅を出た後、JR紀勢本線が左側から合流したところで、津駅に着きます。


駅の紹介

駅名\種別 普通快速みえ特急
河原田(3) ||
鈴鹿(4)
玉垣(5) ||
鈴鹿サーキット稲生(6)
徳田(7) ||
中瀬古(8) |
伊勢上野(9) ||
河芸(10) ||
東一身田(11) ||
津(12)

※記号の凡例 ○:停車、△:一部停車、☆:一部停車(特定日のみ)、|:通過


車両

イセIII形

HC85系

キハ75形