豊鉄モ780形電車

車両について

運用事業者 豊橋鉄道(豊鉄)
製造所 日本車両製造
製造年 1997年(平成9年)・1998年(平成10年)
製造数 7両
運用開始 2005年(平成17年)8月2日
運用路線 東田本線
最高速度 40km/h
備考 元名古屋鉄道(名鉄)モ780形
名古屋鉄道での運用開始は1997年(平成9年)4月5日

豊鉄モ780形電車

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車両の概要

車両の性能・仕様

形式

編成

車両についての見解


車両の概要

豊鉄モ780形電車(とよてつモ780がたでんしゃ)は、豊橋鉄道(豊鉄)が2005年から運用している路面電車車両です。

この車両は名古屋鉄道(名鉄)が1997年(平成9年)から翌年にかけて、岐阜市内線・揖斐線直通用に投入され、一貫して両路線にて運用されました。2005年(平成17年)3月末をもって路線が廃止されたため、7両すべて豊橋鉄道へ譲渡され豊橋鉄道モ780形電車となりました。本稿では名鉄時代とあわせて譲渡後の状況についても記述します。


車両の性能・仕様

車体構造

車体は普通鋼製となっています。全長は13,580 mm、車体幅は2,100mmとなっています。

前面は大型のヒーター入り合わせガラス3枚構成で、窓上に方向幕(行先・種別表示器)を組み込み、運転台脇にあたる位置にも1枚ずつ下降窓(落とし窓)を設けたものとなっています。窓下の両脇にはシールドビームによる角型の前照灯を配し、その下部にゴムでコーティングされた大型バンパーを設けています。バンパーは左右に分かれており、その中央部分には乗降中表示器を取り付けています。またバンパー側には左右2組ずつ尾灯兼続行灯(赤・オレンジに発光)および制動灯兼車幅灯(赤・黄色に発光)の機能を持つLED灯が組み込まれています。連結器が搭載されていたことから連結器回りに相当する部分には大型の排障器が取り付けられ、安定感のあるスタイルとされました。

客用扉は幅1,100mmの両開き扉を1箇所、幅750mmの3枚折戸を2箇所の計3箇所に配しました。設置場所は前後の運転台寄り(3枚折戸)と車体中央部(両開き扉)で、車端部分のドアは左右対称の配置となっていますが、中央部のドアはワンマン運転時の乗客の流れを円滑にする目的で車体中心からそれぞれ1.55メートルずつ前後にずれた点対称の配置とされており、進行方向左手では後寄り、右手では前寄りになります。ワンマン運転に際しては「前乗り中降り」方式を採用していることから、前後の運転台側のドアが乗車用、中央のドアが降車用となっています。路上乗降時に展開される折りたたみステップと、名鉄時代の鉄道線ホームとの間を埋める引き出し式ステップが各ドアに付属しています。展開時の車外折りたたみステップ高さはレール面上37センチメートル、車内ステップ高さは66センチメートルであり、レール面上82センチメートルの車内床面との間に2段または1段の段差が生じています。

側面客室窓は、中央ドアから見て左側のドア間に幅960mmの窓を片側4枚ずつ、右側のドア間に幅1,280mmの窓を片側1枚ずつ取り付けています。窓の高さ850mmで、いずれもアルミ窓枠のユニット窓であり、片側5枚ずつの窓のうち両端の2枚を除いてバランサ付きフリーストップ式の下降窓になっており開閉できます。

車体の塗装デザインは全車が全面広告車両として運用されているため、標準のものは存在していません。

主電動機・制御装置・台車

主電動機は東洋電機製造製のかご形三相誘導電動機(60kW、形式TDK-6307A形)となっています。また、制御方式はGTOサイリスタ素子を用いたVVVFインバータ制御となっています。VVVFインバータ制御の採用は名鉄の600V線用車両では初めてのものとなっており、これは名鉄が2000年(平成12年)に導入したモ800形に引き継がれています。

台車は、住友金属工業製のペデスタル(軸ばね)式の空気ばね使用ボルスタアンカー付きインダイレクトマウント台車となっています。

ブレーキ制御は、回生ブレーキ併用のMBS-R形電気指令式と、非常用の自動空気式となっています。電気指令式ブレーキの採用も名鉄の600V線用車両では本形式が初となりました。

車内仕様・サービス設備

車内はロングシートとしました。

ロングシートはドア間に9人掛け座席と3人掛け座席が点対称に配置されています。うち9人掛け座席は中央ドア正面の部分で握り棒を境に6人掛けと3人掛け(優先席)に分割されています。この座席に加えて中央ドアの両脇に折りたたみ式の1人掛け座席があり(計4席)、ラッシュ時の収容力増と昼間の着席サービス向上の両立を図っています。従って座席定員は計28人で、立席定員を含めた全体の定員は64人となっています。座席上には荷棚を配置し、窓のカーテンは横引き式となっています。

客室内には急停車時を考慮してつり革や握り手を多数配置しています。また、ワンマン運転機器として、新造時より両替機付き運賃箱(現在はICカード乗車券対応のものに変更)・整理券発行器・運賃表示器(現在は旅客案内ディスプレイに表示させる方式に変更)・自動放送設備などを備え、豊橋鉄道での運用開始時に降車合図ボタンが追加されました。これらの機器は運転士の負担軽減のため運転台で集中制御できるようになっています。

室内の配色については、重厚感を持たせるとともに狭い室内を広く見せるよう、天井と壁はクリーム色系統、座席モケットと床はワインレッドという配色を採用しています。


形式

モ780形は以下の1形式から構成されています。

モ780形

制御電動車(Mc)です。


編成

モ780形の編成は1両の1種類が存在しています。

1両

モ780

車両についての見解

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