豊鉄モ3500形電車

車両について

運用事業者 豊橋鉄道(豊鉄)
製造所 日本車輌製造《新造車、車体更新車(東京都交通局導入時)》
アルナ工機(車体更新車)
製造年 1954年(昭和29年)~1956年(昭和31年)
製造数 83両(車体更新車を含めると93両)
運用開始 1992年(平成4年)
運用路線 東田本線
最高速度 40km/h
備考 元東京都交通局(都電)7000形
東京都交通局での運用開始は1954年(昭和29年)
アルナ工機による車体更新車は鉄道友の会第18回(1978年)ローレル賞受賞

豊鉄モ3500形電車

クイックアクセスガイド

車両の概要

車両の性能・仕様

形式

編成

車両についての見解


車両の概要

豊鉄モ3500形電車(とよてつモ780がたでんしゃ)は、豊橋鉄道(豊鉄)が1992年から運用している路面電車車両です。元は都電荒川線にて使用されていた7000形で、1992年(平成4年)と2000年(平成12年)に2両ずつ入線しました。

この車両は東京都交通局(都電)が形は1953年(昭和28年)から1956年(昭和31年)にかけて投入され、都電内で広く利用されました。都電の路線縮小とともに1967年(昭和42年)から廃車が始まり、都電で唯一存続した「荒川線」用に、1955年(昭和30年)から翌年にかけて製造された最終増備グループの中から31両が残りました。

荒川線にて1978年(昭和53年)4月より全面ワンマン運転を行うにあたり、製造から20年が過ぎて車体の傷みがみられる7000形については、車体のみ新造し台車・主電動機・制御装置・空気圧縮機・電動発電機などの機器は再利用する、という形でワンマンカー改造を行う方針が立てられました。大型の前面窓と直線的なデザインが特徴的な新車体はアルナ工機にて製造され、1977年(昭和52年)11月から翌1978年3月にかけて全31両の更新が完成しました。この改造に際し、従前の車両番号7055~7089(79・80・85・88はこの時点で廃車となっていたため欠番)が若い順に7001~7031へと整理されました。

更新後の7000形については1987年(昭和62年)より冷房化工事が始まりましたが、31両のうち6両には施工されず、1991年(平成3年)から1993年(平成5年)にかけて廃車されました。そのうち、1992年(平成4年)6月に廃車となった7009・7028の2両については、東田本線の車両近代化を図るべく豊橋鉄道が購入しました。25両の冷房車についても、1999年(平成11年)になると廃車が生じ、4月に7017・7021の2両が廃車されました。この2両についても、冷房化推進を目的として豊橋鉄道が購入しました。こうして、7000形のうち7009(旧7063)・7017(旧7071)・7021(旧7075)・7028(旧7084)の4両が豊橋鉄道東田本線へ転出していきました。


車両の性能・仕様

車体構造

車体は普通鋼製となっています。全長は12,520 mm、車体幅は2,203mmとなっています。

前面はガラス1枚構成で、窓上に方向幕(行先・ワンマン表示器)を組み込んています。窓下の両脇にはシールドビームによる丸型の前照灯と尾灯を配しており、正面から見たその左側上部部分には乗降中表示器を取り付けています。

客用扉は片開き扉を1箇所、2枚折戸を1箇所の計2箇所に配しました(東京都交通局時代は両方とも片開き扉であった)。設置場所は前の運転台寄り(2枚折戸)と車体中央部(片開き扉)で、車端部分のドアは左右対称の配置となっていますが、中央部のドアは車体中心から前後にずれた点対称の配置とされており、進行方向左手では後寄り、右手では前寄りになります(東京都交通局のアルナ工機による車体更新車時代は左右で同位置に存在していた)。ワンマン運転に際しては「前乗り中降り」方式を採用していることから、前後の運転台側のドアが乗車用、中央のドアが降車用となっています。路上乗降時に展開される折りたたみステップが各ドアに付属しています(東京都交通局のアルナ工機による車体更新車時代はホームがかさ上げされていたため存在していなかった)。

側面客室窓は、中央ドアから見て左側のドア間に窓を片側4枚ずつ、右側のドア間に窓を片側4枚ずつ取り付けています(東京都交通局のアルナ工機による車体更新車時代は中央ドアから見て左側のドア間に窓を片側5枚ずつ、右側のドア間に窓を片側3枚ずつであった)。

車体の塗装デザインは現在は全車が全面広告車両として運用されているため、標準のものは存在していません。

主電動機・制御装置・台車

主電動機は日本車輌製造製(形式TB-28A形)となっています(東京都交通局時代は形式NE-60A形であった)。また、制御方式は吊り掛け駆動方式を用いた抵抗制御となっています。

台車は、揺れ枕を持つスイングハンガー式のコイルばね使用の台車となっています。

ブレーキ制御は、保安ブレーキ併用のSM-3形直通式となっています。

車内仕様・サービス設備

車内はロングシートとクロスシートを設置しました。

ロングシートはドア間に点対称に配置されており、その反対側にクロスシートが2客ずつ配置されています。うちロングシート部分は中央ドア移設の際に空いた部分が車椅子スペースとなっています。

客室内には急停車時を考慮してつり革や握り手を多数配置しています。また、ワンマン運転機器として、両替機付き運賃箱(現在はICカード乗車券対応のものに変更)・整理券発行器・運賃表示器(現在は旅客案内ディスプレイに表示させる方式に変更)・自動放送設備などを備え、豊橋鉄道での運用開始時に降車合図ボタンが追加されました。これらの機器は運転士の負担軽減のため運転台で集中制御できるようになっています。


形式

モ3500形は以下の1形式から構成されています。

モ3500形

制御電動車(Mc)です。


編成

モ3500形の編成は1両の1種類が存在しています。

1両

モ3500

車両についての見解

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