名鉄5000系電車(2代)

車両について

運用事業者 名古屋鉄道(名鉄)
製造所 日本車両製造
製造年 2008年(平成20年)~2009年(平成21年)
製造数 56両
運用開始 2008年(平成20年)3月23日
運用路線 蒲郡線・三河線・豊田線・築港線・瀬戸線・尾西線(津島~玉ノ井)・各務原線・広見線・小牧線・竹鼻線・羽島線を除く全線
最高速度 120km/h
備考

名鉄5000系電車

クイックアクセスガイド

車両の概要

車両の性能・仕様

形式

編成

導入年次による変化

車両についての見解


車両の概要

名鉄5000系電車(めいてつ5000けいでんしゃ)は、名古屋鉄道(名鉄)が2008年から運用している電車です。

特急列車の運行体系見直しにより、2000系「ミュースカイ」で運転される中部国際空港アクセス特急以外の列車はすべて一般車を連結した一部特別車編成に変更されることとなりました。これにより余剰廃車となる1000系の全車特別車編成から主要機器を流用し、新規に製造された車体と組み合わせて誕生したのが本系列です。名鉄では1955年から1986年まで初代5000系が在籍していたことから、「新5000系」と称されることもあります。

なお、名鉄において機器流用車が製造されるのは1993年に落成した1030系2次車(1134F。その後1380系に改造し、現在は廃車)以来、15年ぶりのこととなっています。


車両の性能・仕様

車体構造

車体は3300系・3150系とほとんど同一の日車式ブロック工法による19m級片側3扉ステンレス車体です。ただし、先頭車前面は普通鋼製となっています。1000系の運転台機器を流用した関係で先頭車前面は非貫通構造とされていますが、将来の非常用貫通扉設置改造が可能な設計とされています。

車体の塗装デザインは3300系・3150系と共通で、側窓下に赤帯を1本配しています。先頭車前面は3300系・3150系とはブレーキ方式が異なり併結が不可能であることから、識別のため3300系・3150系で用いられているダークグレーのライトベゼルとガーニッシュをやめ、前面窓下の赤帯もピンストライプから太めの子持ちラインに変更されています。

前面および側面の種別・行先表示器は3300系・3150系ではオーロラビジョンR-STAYを採用していましたが、本系列では名鉄初のフルカラーLED式に変更されました。

主電動機・制御装置・台車・運転機器

主電動機は流用品の直流複巻電動機を装備しています。そのため、ブラシの保守点検が必要であることから、電動車の客室内床面には主電動機点検蓋(トラップドア)が設置されています。また、制御方式は1000系から流用した東芝製GTO界磁チョッパ制御となっています。2019年時点では日車式ブロック工法車体で唯一の直流電動機搭載車となっています。

台車は、ボルスタ付き台車となっており、乗車定員が増加したことからブレーキ力を高めるため、台車のブレーキシリンダーを大型化、ブレーキてこ比が変更されました。また、制御車に装備する付随台車ではブレーキ配管を2つに分割することで各軸制御に変更し、滑走防止装置が設置されました。

ブレーキ制御は、1000系から流用した回生ブレーキ併用電磁直通式となっています。車体重量の変化に対応してブレーキ力を調整する応荷重装置は乗車定員が増加したことから改造されました。主幹制御器も1000系の直列並列指定式を流用したもので、設計上は1800系、5700系・5300系との相互連結を考慮したものとなっています。

警笛には1000系から流用した空気笛(デュアルトーン)と3150・3300系同様の電笛が搭載されています。

車内仕様・サービス設備

車内はすべてロングシートとしました。

座席の一人当たりの掛け幅は470mm、座面高さは430mmとなっています。構造は片持ち式が基本ですが、各車両の車端部1か所は機器艤装スペースを確保する観点から脚台付きとしています。客用ドア間の座席部には一部をライトブルーに着色したスタンションポールを2か所に配しています。座席部のつり革の位置は床面から1,630mmとなっています。

優先席は各車両10席に拡大されました。座席モケットとつり革とスタンションポールの色を一般座席とは異なるものにすることで、一般座席との区別を明確にしています。車椅子スペースは両先頭車の運転席後部に設置されています。3300系・3150系では折り畳み式の補助座席が設置されていましたが、本系列では手すりと車椅子固定用のベルトを設置したため荷物棚を含めて設置されませんでした。また、バリアフリー対策として3300系などと同じドアチャイムを装備しています。

なお、優先席や車椅子スペースの形態は車体のフルカラーLED式種別・行先表示器とともに本系列以降の新造車両にもフィードバックされて標準仕様となりました。

車内案内表示器はLED2段表示式で、各車両の客用ドア上部3か所に千鳥配置しています。

室内の配色については、床がブルーグレー系の濃淡の2色塗りとしました。また、座席の表地の色はブルー系となっています(優先席は赤系)。


形式


5000系は以下の4形式から構成されています。

ク5000形

上り方(豊橋方)の制御車(Tc1)です。

モ5050形

中間電動車(M2)です。電動車ユニットの豊橋側の車両となっています。

ク5100形

下り方(岐阜方)の制御車(Tc2)です。

モ5150形

中間電動車(M1)です。電動車ユニットの岐阜側の車両となっています。



編成

5000系の編成は4両の1種類が存在しています。

4両

ク5000モ5050モ5150ク5100


導入年次による変化

2008年5月製造(5000系2次車)

4両編成4本が増備されました。この増備車からはボルスタレス台車(SS165F・SS026F)装備の編成が登場しました。この編成はユニットブレーキ式であり、所定のブレーキ力が確保可能なことから、1次車で行われていた変更はされていません。この2次車導入により、7000系6両編成が廃車となりました。

2009年製造(5000系3次車)

4両編成6本が増備されました。この増備車からは、前年の2次車投入後に落成した1700-2300系や瀬戸線用4000系と同一で、バリアフリー対策として床が淡いブルーグレー系の単色にドア付近を黄着色という仕様に変更されています。この2次車導入により、従来、主に三河線で運用されていた7700系と7100系は2009年10月の運用変更から翌2010年2月までに順次運用を離脱し、全車廃車となりました。


車両についての見解

現在、準備中。