名鉄3100系電車

車両について

運用事業者 名古屋鉄道(名鉄)
製造所 日本車両製造
製造年 1997年(平成9年)~2000年(平成12年)
製造数 46両
運用開始 1997年(平成9年)3月
運用路線 蒲郡線・三河線・豊田線・瀬戸線・各務原線・広見線(新可児~御嵩)・小牧線を除く全線
最高速度 120km/h
備考

名鉄3100系電車

クイックアクセスガイド

車両の概要

車両の性能・仕様

形式

編成

導入年次による変化

車両についての見解


車両の概要

名鉄3100系電車(めいてつ3100けいでんしゃ)は、名古屋鉄道(名鉄)が1997年から運用している電車です。3700系の2両編成版で、1997年から2000年まで製造されました。

車体や客室設備は3700系とほぼ同様であり、名鉄の公式サイト等では同系の2両バージョンと位置づけています。車体は普通鋼製(当時すでにJR各社を始め他社局では、通勤形車両の車体素材としてステンレス鋼製やアルミニウム合金製が主流となっており、名鉄が1990年代一杯までVVVFインバータ制御の通勤車を普通鋼製車体で新製投入し続けたことは希少な事例である)で、座席はオールロングシートとなっています。

2004年5月には当時落成して間もない2000系と併結しての試運転を行いました。


車両の性能・仕様

車体構造

車体は3700系とほぼ同様のものとなっています。先頭車前面には3500系・3700系と同じく電気指令式ブレーキを装備するため、「ECB」のプレートが装着されています(装着は3100系までであり、それ以降の新造車両にはプレートは装着されていない)。

車体の塗装デザインは落成当時、赤い車体に乗降口扉の上半分が灰色に塗られていたものとなっていましたが、他の部分と同じ赤色に塗り直され、スカーレット1色となっていました。2019年6月には、3107Fを皮切りに、車体塗装を2200系に似せたカラーリングに変更した編成が登場しました。特急型と併結した際に統一感を持たせることを目的としたもので、3100系のみに施工する予定となっています。

主電動機・制御装置・台車

主電動機は東洋電機製造製のかご型三相誘導電動機(170kW)となっています。また、制御方式は3500系・3700系と異なり、IGBT素子を用いたVVVFインバータ制御となっています。これにより、故障時に対処しやすくなるなど、きめ細かい制御を可能にしました。このシステムは、後の新造車と制御装置更新車にも一部改良の上で採用されています。制御装置は三菱製と東芝製のものが採用されました。

台車は、ヨーダンパ付きのボルスタレス台車となっています。さらに、2004年からは電動台車のみ許容荷重を高めたタイプに交換されました。

ブレーキ制御は、MBS-A形電気指令式となっています。そのため、旧来のHSC-D形電磁直通式を有する6000系・6500系などとの連結運転は不可能となっています。

車内仕様・サービス設備

車内は3700系とほぼ同様のものとなっています。

車端部には号車番号表示器とLED式車内案内表示装置を設置しており、案内表示器は1700系と併結して快速特急・特急の運用に入った際にのみ、特別車についての案内も表示される他、種別の表示が赤色文字となります(3500・3700系も含め、通常は種別にかかわらず全文橙色文字で表示)。なお、2200系と併結して快速特急・特急運用に入った場合やその他の3000番台および9000番台と併結して急行・快速急行に入った場合は通常通りの表示(上記の1700系を除く・特別車についての案内表示はなく、種別も橙色で表示)となります。

基本的に自動放送装置などは搭載されていませんが、2200系や1700系との併結時はこれらの編成からの自動放送と車内メロディが流れるようになっています。


形式


3100系は以下の2形式から構成されています。

ク3100形

上り方(豊橋方)の制御車(Tc)です。

モ3200形

下り方(岐阜方)の制御電動車(Mc)です。



編成

3100系の編成は2両の1種類が存在しています。

2両

ク3100モ3200


導入年次による変化

1998年製造(3100系2次車)

2両編成9本が増備されました。3700系2次車と同様の改良がなされています。

2000年製造(3100系3次車)

2両編成4本が増備されました。前年に落成した1600系(後の1700系・廃車)に準じた変更がなされ、運転台モニタの設置や主幹制御器の右手操作型への変更、100系でも採用されている発車予告ブザーの設置、車外スピーカーの設置がされているほか、新製時より転落防止外幌を装備しています。また客室側窓の巻上げカーテンはフリーストップ式となりました。

前照灯は当初シールドビームでしたが、のちにこの3次車の全車両がHIDに交換され、以後の新造車両では標準装備となりました。また、車体側面の車両番号の表記位置がやや上の位置にずれており、さらに1700系と併結して運用に入った際にのみモニタに特別車の開閉図と走行モーターが表示されます。

この3次車8両の導入を受け、同数の6000系(内訳は4両編成の6035Fと当時4連だった6037Fと6038Fの中間車で、後者は改番の上、当時2+2の編成で残っていた6031Fと6032Fの中間に組み込まれた。これによって瀬戸線に所属する6000系はすべて4両固定編成となった)が瀬戸線の輸送力増強のため同線に転出しました。

本系列の製造はこれをもって終了し、以降の本線系通勤形2両編成の製造は2004年登場の3150系に移行しました。

2002年登場の300系以降、通勤形車両はステンレス製の車体を採用するようになったため、長年の名鉄の象徴であった「赤い電車」が新製ならび改造にされたのは、現時点では新製が3100系、改造が1380系(2002年、廃車)で最後となりました。この3次車をもって、TD車の製造も終了し、300系からはWN駆動に移行されました。


車両についての見解

現在、準備中。