名鉄2200系電車

車両について

運用事業者 名古屋鉄道(名鉄)
製造所 日本車両製造
製造年 2004年(平成16年)~
製造数 102両(系列全体)
86両(2200系)
16両(2300系2330番台)
運用開始 2005年(平成17年)1月29日
運用路線 名古屋本線・常滑線・空港線・河和線・知多新線・津島線・尾西線(佐屋~津島)・犬山線
最高速度 120km/h
備考 2300系2330番台はかつて1700系(旧1600系・廃車)と編成を組んでいた

名鉄2200系電車豊橋方先頭車

クイックアクセスガイド

車両の概要

車両の性能・仕様

形式

編成

導入年次による変化

車両についての見解


車両の概要

名鉄2200系電車(めいてつ2200けいでんしゃ)は、名古屋鉄道(名鉄)が2005年から運用している特急形電車です。

これらの形式は従来運行されてきた前面展望を売りにしたパノラマカーグループに代わって、21世紀における名鉄の特急形標準車両として導入されたグループとなっています。パノラマカーの各形式が視界を確保するために、客室を高床構造としたり運転席を2階に設けるなどの工夫がなされていたのに対し、あくまで実用本位な設計が特徴となっています。

また、パノラマカー系列にはパノラマカーを名乗る(7000系・廃車)をはじめ、パノラマDX(8800系・廃車)、パノラマSuper(1000系、1600系・廃車)など鉄道ファンのみならず、車両ごとに会社が公式に認める愛称があるのが慣例でした。本系列と同時に登場した2000系には「ミュースカイ」という愛称が付けられたものの、本系列には愛称が存在していません。名鉄内での運用上の略号は共通運用されていた1700系-2300系とともに「C2」と総称されています。


車両の性能・仕様

車体構造

車体は軽量鋼製となっています。特別車は全長19,600mm、一般車は全長18,330mmとなっています。また、車体幅は2,700mmとしました。

前面は2000系が貫通構造で増解結時に開閉させて幌を出せるのに対し、本系列ではいずれの方向も非貫通構造で開閉できないものとなっています。ただし、本系列ではこの部分にはマジックミラーが設置されており、車内から景色を見ることができます。また、モ2300は将来の増結運用を考慮し、ほろ装置を設ける取り付けスペースが確保されています。

客用扉は6両編成中の豊橋・中部国際空港方向の2両(特別車)が2000系に準じた各車両片側2つドアで、岐阜・新鵜沼方向の4両(一般車)は3300系(3代)に準じた各車両片側3つドアとなっています。なお、いずれのドアも両開きで戸袋に収納される引戸となっています。ドアの幅は特別車が1,000mmで、一般車が1,300 mmとなっています。

車体の塗装デザインは全体的に2000系と酷似していますが、塗装は2000系が青と白をベースとしているのに対して、本系列では白をベースに、従来からの名鉄特急のブランドイメージを引き継いだ「名鉄スカーレット」を採用しています。

主電動機・制御装置・台車・運転機器

主電動機は東洋電機製造製のかご形三相誘導電動機をとなっています。また、制御方式はIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御となっています。

台車は、SU形ミンデン式のボルスタレス台車となっています。

ブレーキ制御は、電気指令式となっており、同じシステムを持つ3100系、3150系と9100系との連結(総括制御)運転が可能となっています。これらの起動加速度(2.0 km/h/s)および非常減速度が低いため、起動加速度が落ちるものの、高速性能に関しては同等であり、実際には併結運転は停車回数の少ない優等列車の運用のみであるため、これによる運転時分への影響はほとんど無いものとなっています。

警笛には「パノラマカー」7000系以来の伝統であるミュージックホーンを装備しています。

車内仕様・サービス設備(共通)

本系列は1600系(後の1700系・廃車)や2000系と同様、もともと空港特急用として登場したため、日本語と英語の2ヶ国語対応の自動車内放送装置が搭載されています。自動放送は快速特急・特急運用の際に使用され、快速急行以下の列車で運用される場合の車内放送は車掌の肉声によるものとなります。内容は2000系と同様のもので、中部国際空港行き特急に運用された場合のみ専用のチャイムが流れる他、常滑駅→中部国際空港駅間走行時と中部国際空港駅での折り返し待ちの間にはBGMが流れます。それ以外の行き先の列車で運用される場合は1600系で初採用となったものと同じ車内チャイムが流れます。放送の内容は種別・行き先や停車駅の案内の他、ドアの開閉前には注意喚起の自動放送が流れます。このほか、バリアフリー対策として、ドアチャイムを装備しています。

車内仕様・サービス設備(特別車)

6両編成中の2両(1号車と2号車)が該当します。基本的な構成は2000系と同様のもので、客室と出入り口がデッキを挟んで仕切られている形となっており、客室の座席は通路を挟んで2+2列の青緑色の回転式リクライニングシートとなっています。シートの背面にはテーブル、および乗車券などを挟めるチケットホルダーが付いています。照明は落ち着いた感じを出す間接照明式を採用しました。側窓は開閉不能で、カーテンは自由な位置で止めることのできるフリーストップ式となっており、窓際部分には上着をかけられる突起も用意されています。

旅客用案内装置として、日本語・英語による自動放送の他にデッキ部分にLCDが設置されており、現在位置や行き先を視覚的に知ることが出来る他、中日新聞ニュースや前面展望なども流れています。

2号車にはトイレと洗面台が設置されています。トイレは洋式のものと名鉄の車両で初めて男性用小便器を設置しました。また、オムツを替える台も設置されています。

車内仕様・サービス設備(一般車)

6両編成中の4両(3号車から6号車まで)が該当します。基本的な構成はほぼ同時期に登場した3300系通勤形電車を基本とし、座席は紫色の転換式クロスシートとロングシートをドア間毎に交互に配置するセミクロスシート配置となっています。中間車3両は3300系1・2次車と同様にクロスシートとロングシートの割合が約半々で窓配置も同様となっていますが、岐阜寄りの先頭車であるモ2300形は豊橋寄りのドア間1区画4列のみがクロスシートとなっているため、他の車両よりもロングシートの割合が多くなっています。また、同形式は乗務員室の奥行きの関係でその直後に座席と側窓がないことと、補助席を収納して設ける車椅子スペースの位置も3300系との客室設備上の違いとなっています。照明は直接照明式となっています。側窓は車端側の上部だけ内折れ式に開閉可能で他は固定式とされ、UVカットガラスが採用されたため、カーテンは設置されていません。側窓の内枠も1200系のようなFRPではなく、3300系などと同じアルミ部材となっています。

旅客用案内装置として特別車のLCD方式に対し、3300系と同様の2段表示が可能な3色LED方式のものとなっていましたが、3次車の2210Fより、一般的なLCD方式となりました。

3・4・5号車は中間車ですが、車掌の車内巡回中にも停車駅での客用ドア開閉と出発合図が可能なように戸閉めスイッチと連絡用ブザーが設置されています。


形式

2200系は以下の6形式から構成されています。

モ2200形

上り方(豊橋方)の制御電動車(Mc)です。

サ2250形

中間付随車(T)です。トイレを搭載しています。

モ2300形

下り方(岐阜方)の制御電動車(Mc)です。

サ2350形

中間付随車(T)です。

サ2400形

中間付随車(T)です。

モ2450形

中間電動車(M)です。


編成

2200系の編成は6両の1種類が存在しています。

6両

モ2200サ2250サ2400モ2450
特別車特別車一般車一般車
サ2350モ2300
一般車一般車


導入年次による変化

2007年製造(2200系2次車)

6両編成5本が増備されました。特別車は車椅子対応席以外の1人掛け席が荷物置き場となり、窓配置が変わりました。また、座席背面にチケットホルダを装備しました(他の編成もこの時に設置)。一般車はクロスシートの配置が横2+1列となって通路幅が広がり、この部分にもつり革が設置されました。このため、一般車の座席定員はモ2300形で4名、他の3両では6名ずつ減少し、立ち席を含む全体の定員は4両合計で10名増えました。また、3150系2次車と同じく手すりの色がライトブルーパープルに変わっているほか、天井の蛍光灯間(冷風吹出口・ラインデリア周り)のパネルがFRP製からアルミデコラに変更されたため、1次車とは天井中央部の見付けに差異が生じています。この5本の編成は営業運転開始当初、常滑駅→中部国際空港駅間走行時に流れるBGMが映画『八十日間世界一周』のテーマ曲「Around the World」となっていましたが、すぐに従来車と同じBGMに変更されました。これに伴い、ごく一部を除いて全車特別車での運行が基本であった、犬山線~河和線系統の特急の約半数が一部特別車での運行となりました。

2008年製造(2300系2330番台)

1700系(旧1600系・廃車)併結用の4両が4本増備されました。種別・行先表示器がコントラストが低く昼夜ともに被視認性に難のあった三菱電機製オーロラビジョン R-STAYからフルカラーLED式に変更されました。中部国際空港行きに運用される際の航空機マーク表示が、2200系での種別側表示から行先側表示に変更されました(その後に増備された2200系も同様)。

床材は従来のブルーグレー系の濃淡2色から淡いブルーグレー系の単色に変更となり、出入り口付近が黄色となりました。

豊橋・中部国際空港方の車端部のロングシート10席はすべて優先席となり、この部分のスタンションポールとつり革は黄色にすることで他の座席との区別を図りました。

ドアチャイムは2200系と音程が異なるのものが搭載されています。

先頭車前面中央部は2200系モ2300形では厚さ8mmのポリカーボネート製でしたが、2300系モ2300形の前面中央部はこれを鋼板に変更した上でシルバーメタリック塗装としました。そのため、外観上はマジックミラーになっている中央部の窓が2200系モ2300形よりも目立っています。

方向転換した1700系との連結のために、サ2400形の豊橋側で引き通し線を逆転させ、モ1700、サ1650を方向転換した事で特別車と一般車とのつなぎ目で開ける方向が互い違いになることを防ぐために、2300系サ2400では2200系サ2400とは逆方向に貫通扉を開けるようになっています(名鉄車両は基本的に貫通扉を山側→海側の方向に開ける事で統一している)。そのようなことから、特別車と一般車の間には段差が生じており、その部分の貫通扉には注意を促すステッカーが貼られていました。

2015年製造(2200系3次車)

6両編成2本が増備されました。外観は正面下部のスカートの形状を変更した上で塗装がスカーレットに変更され、側面の窓下にもスカーレットのラインが追加されたものとなりました(塗装の変更は他の編成にも実施)。また、行先表示機のフルカラーLEDの表示がより見やすく変更されました。内装では、特別車は1号車に0A席、2号車に13D席が追加設置され、定員がそれぞれ1名分増加しました(他の編成にも実施)。一般車は、2段表示可能な3色LED方式だった車内案内表示装置が、一般的なLCD方式となり、スタンションポールが無塗装となりました。なお、特別車のLCDは従来通りとなっています。車内案内表示は、従来の駅名の「名鉄」省略表示{例:名鉄名古屋(次は 名古屋)}がなくなり、画面下部に中日新聞ニュース等を表示できるようになりました。

2016年製造(2200系4次車)

6両編成1本が増備されました。基本仕様は3次車と同様のものとなっています。

2018年製造(2200系5次車)

6両編成1本が増備されました。基本仕様は3・4次車と同様のものとなっています。

2019年・2020年製造(2200系6次車)

2300系2330番台併結用の2両が4本増備されました。2号車豊橋方に車椅子スペースが設置されました。これに伴い、1700系が廃車となりました。


車両についての見解

現在、準備中。