名鉄2000系電車

車両について

運用事業者 名古屋鉄道(名鉄)
製造所 日本車両製造
製造年 2004年(平成16年)~2006年(平成18年)
製造数 48両
運用開始 2005年(平成17年)1月29日
運用路線 名古屋本線(神宮前~名鉄岐阜)・常滑線・空港線・犬山線・広見線(犬山~新可児)
最高速度 120km/h
備考 2005年度グッドデザイン賞受賞
鉄道友の会第46回(2006年)ローレル賞受賞

名鉄2000系電車

クイックアクセスガイド

車両の概要

車両の性能・仕様

形式

編成

導入年次による変化

車両についての見解


車両の概要

名鉄2000系電車(めいてつ2000けいでんしゃ)は、名古屋鉄道(名鉄)が2005年から運用している特急形電車です。

空港線を介した中部国際空港(セントレア)へのアクセスを目的に開発された車両です。最初の編成は2004年(平成16年)5月に落成し、翌2005年(平成17年)1月29日の空港線開業に合わせて運用を開始しました。なお中部国際空港は少し遅れて同年2月17日に開港となっています。

車両には「ミュースカイ」の愛称が付与されています。これは就役を前に車両名を一般公募した際、名古屋鉄道の略称である名鉄(Meitetsu)の頭文字「M」と名鉄特急の特別車の愛称「μ(ミュー)」と空港をイメージさせる空の意味である「sky」を組み合わせた「ミュースカイ」がふさわしいと判断し命名しました。2008年12月からはこの車両を用いる専用の列車種別としても使われています。

全車両の製造を日本車輌製造が担当しました。2005年度のグッドデザイン賞、2006年度のローレル賞を受賞しています。1000系全車特別車編成および1600系が撤退した現在、全車特別車特急の部類としては同系の後継車両としての意味合いが強くなっています。なお、名鉄内での運用上の略号は「C4」で、3両編成時代は「C3」でした。

2019年4月1日現在、4両編成12本48両が在籍しています。このうち、1・2次車の10本は落成時は3両編成でしたが、後に4両編成化されています。


車両の性能・仕様

車体構造

車体は軽量構造の鋼製となっています。先頭車は全長19,415 mm、中間車は全長19,600 mmとなっています。また、車体幅は車体傾斜装置搭載のために2,700mmとやや狭く取られました。

前面は連結時の貫通幌対応と、バリアフリー化の為にハイデッカー構造ではなくなっています。中央部には2編成を連結して運用することに備え、貫通扉を設けて連結した際にも通り抜けが出来るように配慮されています。ですが、普段はカバーが掛けられて凹凸も少なく車体と一体感を出すように工夫されており、中部国際空港の愛称であるCentrair(セントレア)のロゴが貼られています。連結の際には運転席からのボタン操作一つでカバーが外れて幌が露出する「半自動幌装置」を採用しました。動作指令は電気指令式で、動力源は圧縮空気となっています。開放の失念を防止するために幌連結中は自動解結装置の電源が断たれる回路構成となっています。灯具類は、車体外殻に内蔵された形となっており、中心側から順に前灯・標識灯・フォグランプのHID3連式でそのすぐ下に横長のLED尾灯を備えています。

客用扉は大きな荷物を持った旅客が利用しやすいようにするために、幅1000mmの両開き戸を2箇所に配しました。側面窓は名鉄特急の特徴となっている天地寸法805mmの連続窓となっています。

車体の塗装デザインは、白色を基調にアクセントに青色を採用するなど、これまでの名鉄の車両にイメージとは一変しています。これは中部国際空港が伊勢湾の海上にあるため、空と海の爽快なイメージから連想する「青と白と水の透明感」をコンセプトとしたものとされているためです。

主電動機・制御装置・台車・運転機器

主電動機はかご型三相誘導電動機(170kW)を各電動車に3個装備しています。また、制御方式はIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御となっています。

台車は、名鉄の積年の課題だった曲線区間の高速走行のために車体傾斜装置付きのボルスタレス台車となっており、車体を最大2度傾斜させ、曲線の多い常滑線において曲線通過速度を既存車に比べて5~15km/h向上させています。

ブレーキ制御は、電気指令式となっており、同じシステムを持つ3000番台通勤形電車と9000番台通勤形電車との連結(総括制御)運転が可能となっています。本系列については車体傾斜装置が活かせなくなるため営業運転では実施しないことになっていますが、試運転や回送列車で行われています。

警笛には「パノラマカー」7000系以来の伝統であるミュージックホーンを装備しています。

車内仕様・サービス設備

内装は基本的に先に登場した1600系に準じています。

車内は全車両が特別車仕様で回転式リクライニングシートをシートピッチ1,000mmで設置しました。暖房用ヒーターの小型化などにより足元の空間が広く使え、従来車と比べて居住性が向上しています。また、カーテンは車体傾斜を考慮して従来のプリーツカーテンを廃し、巻き上げロールカーテンのフリーストップ式とし、座席と同じコンセプトの模様としました。

旅客用案内装置として、デッキと客室の境にLCD表示器を設置しています。このディスプレイは設置できなかった展望席の代わりとして運転席に設置された、ライブCCDカメラからの映像を映し出し、それ以外にも列車種別や停車駅、走行中は列車速度、中日新聞によるニュース、名鉄からのお知らせなどを流しています。ニュースなどのデータ更新は、主要駅に設置されているデータ転送装置からの受信を用いて行っています。また、バリアフリー対策として一部に車椅子スペースを整備し、ドアチャイムの装備と、乗降扉の開閉時に注意喚起の自動放送が流れる様になっています。

編成中に車椅子対応のトイレを1か所に備えています。

室内の配色はライトグレーを基調とし、天井高さは2,240mmで1000系パノラマSuperよりも170mm高くしました。また、座席の表地の色は青緑色系としました。

照明は落ち着いた間接照明の天井灯を主体に荷棚部分に補助ライトを備えています。天井中央のLEDのスポットライトと列車運行に合わせて発光してゆっくり点滅制御を行い、中部国際空港駅などに接近すると空港の誘導灯のように雰囲気を作る荷棚飾灯でアクセントを付けています。


形式

2000系は以下の4形式から構成されています。

ク2000形

上り方(豊橋方)の制御車(Tc)です。

モ2050形

中間電動車(M)です。

モ2100形

下り方(岐阜方)の制御電動車(Mc)です。

モ2150形

中間電動車(M)です。この車両の主電動機の数は他と異なり、2個となっています。



編成

2000系の編成は4両の1種類が存在しています。

4両

ク2000モ2050モ2150モ2100
特別車特別車特別車特別車


導入年次による変化

2005年製造(2000系2次車)

3両編成8本が増備されました。基本仕様は1次車と同様のものとなっています。

2006年製造(2000系3次車)

4両編成2本と中間車10両が増備されました。利用状況が予想以上によく満席となる列車が続出したために増備され、この編成は当初から荷物置き場が設けられたために、窓配置が従来車と異なっています(他の編成は設置の際にその部分の窓のカーテンを常時下げた状態にした)。


車両についての見解

現在、準備中。