名鉄100系・200系電車

車両について

運用事業者 名古屋鉄道(名鉄)
製造所 日本車両製造
製造年 1978年(昭和53年)~1994年(平成6年)
製造数 66両(系列全体)
60両(100系)
6両(200系)
運用開始 1979年(昭和54年)1月
運用路線 三河線(梅坪~土橋)・豊田線・犬山線(上小田井~犬山)・名古屋市交通局鶴舞線
最高速度 100km/h
備考 鉄道友の会第20回(1980年)ローレル賞受賞

名鉄100系電車

クイックアクセスガイド

車両の概要

車両の性能・仕様

形式

編成

導入年次による変化

車両についての見解


車両の概要

名鉄100系電車(めいてつ100けいでんしゃ)は、名古屋鉄道(名鉄)が1979年から運用している電車です。

名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)鶴舞線との相互直通運転のために導入された車両で、名鉄が製造した車両としては初となる20m4扉ロングシートの電車です(20m4扉車自体は、終戦直後に当時の運輸省から国鉄63系電車の割当を受けて入線した初代3700系が存在する)。1980年には鉄道友の会よりローレル賞受賞車両に選出されました。

100系は4両編成で登場し、地下鉄直通運転の本格化に伴って1993年8月からは中間車を増備し、6両編成となりました。増備時期によって制御方式は抵抗制御から界磁添加励磁制御、VVVFインバータ制御と変化していますが、形式は変更されていません(211~214編成は100系200番台として増備された)。最終増備車については全車両がVVVFインバータ制御車両となり、形式が200系に変更されました。また、抵抗制御を搭載していた111~115編成は増備の中間車を除く4両がIGBT-VVVF化され、つり革が三角形(111編成の中間2両は丸形)に交換され、JR東海313系と同じ音質のドアチャイムが設置されました。


車両の性能・仕様

車体構造

車体は普通鋼製となっています。全長は20,000 mmとなっており、車体幅は2,730mm、レール上面から床面までの高さは1,150mmとなっています。

前面は6000系と5500系(廃車)を合わせた上で近代的な感覚にまとめることを意図したもので、平面ガラスで構成されたパノラミックウィンドウとした上で、窓の中継ぎ柱を黒色とすることで1枚ガラスに見えるように配慮しました。高運転台構造を採用しており、窓下にはステンレスエッチング加工による飾り帯を設け(貫通扉中央部に名鉄の社章入り)、流動感を持たせるとともに側面窓高さとの調和を図りました。

客用扉は幅1,300mm・高さ1,808mmの両開き扉を4箇所に配しました。側面窓は幅1,750mm・高さ850mmの固定窓1枚とし、厚さ3mm+3mmの複層合わせガラスを使用しました。戸袋窓は設けられていません。

先頭部分の貫通扉上には半自動式の幕式行先表示器が設けられ、6000系よりもサイズを拡大したほか、名鉄では初めて側面にも行先表示器が設けられました。

車体の塗装デザインはスカーレット1色となっています。

主電動機・制御装置・台車(100系)

主電動機は東洋電機製造製の直流直巻補極補償巻線付電動機(100kW、形式TDK-8200A形)となっています。また、制御方式は抵抗制御となっていました(現在はIGBT素子を用いたVVVFインバータ制御)。

台車は、住友金属工業製のS形ミンデン式の空気バネ台車となっています。

ブレーキ制御は、発電ブレーキ併用のHSC-D形電磁直通式となっています(現在は回生ブレーキも設置)。

主電動機・制御装置・台車(200系)

主電動機は三菱電機製となっています。また、制御方式はGTO素子を用いたVVVFインバータ制御となっています。

台車は、ボルスタレス台車となっています。

ブレーキ制御は、発電ブレーキおよび回生ブレーキ併用の電磁直通式となっています。

車内仕様・サービス設備

車内はロングシートとしました。

ロングシートには、キルティング模様を入れることによって、1人あたりの着席区分を明確化しました。また、座席端部には肘掛を設けています。

車内通路には全長にわたって吊手(吊革)を設置し、ドア部分の通路上部には握り棒を設けました。

室内の配色については、天井が白色で側壁は縦縞模様の化粧板としました。また、座席の表地の色はスカーレットとし、シルバーシートの背もたれのみライトブルーとしました。


形式

100系は以下の8形式から構成されています。

ク110形

上り方(豊田市方)の制御車(Tc)です(1・2次車)。

モ110形

上り方(豊田市方)の制御電動車(Mc)です(3次車以降)。

モ120形

上り方(豊田市方)の中間電動車(M2)です。

サ130形

中間付随車(T)です(1・2次車)。

モ130形

下り方(上小田井方)の中間電動車(M1)です(3次車以降)。

モ140形

下り方(上小田井方)の制御電動車(Mc)です。

サ150形

6両編成化の際に追加された中間付随車(M)です。

モ160形

6両編成化の際に追加された中間電動車(M)です。



200系は以下の6形式から構成されています。

ク210形

上り方(豊田市方)の制御車(Tc)です。

モ220形

上り方(豊田市方)の中間電動車(M)です。

サ230形

下り方(上小田井方)の中間付随車(T)です。

モ240形

下り方(上小田井方)の制御電動車(Mc)です。

サ250形

下り方(上小田井方)の中間付随車(T')です。

モ260形

下り方(上小田井方)の中間電動車(M')です。



編成

100系の編成は6両の1種類が存在しています。

6両

ク110
モ110
モ120サ150モ160
サ130
モ130
モ140


200系の編成は6両の1種類が存在しています。

6両

ク210モ220サ250モ260
サ230モ240


導入年次による変化

1979年6月製造(100系2次車)

4両編成3本が増備されました。乗務員室背面の仕切り壁の位置・寸法・支持方式が変更されました。

1989年4月製造(100系3次車)

4両編成1本が増備されました。この時の増備車からは回生ブレーキを付加した界磁添加励磁制御を採用し、制御装置は三菱電機の主制御器であるABFM-138-15MRH形を採用しました。台車はブレーキシリンダ径が変更されたことに伴いFS398B形に変更され、耐雪ブレーキを付加しました。補助電源装置は出力60kVAのSVH70-447B形GTOインバータ装置に変更され、集電装置もステンレスパイプを使用したPT4212S-A-M形に変更し、冷房装置もRPU-3004AJ形となりました。また、車体床面は40mm下げられ、レール上面から床面までの高さは1,110mmとなったほか、客室内は平天井に変更し、座席は座り心地の改善のため形状が変更されました。そのほか、側面の行き先表示器の面積も拡大されたほか、自動放送装置を当初より搭載しました。

1991年4月製造(100系4次車)

4両編成4本が増備されました。犬山線と鶴舞線の相互直通用に製造されましたが、直通運転開始までは犬山線・名古屋本線・常滑線で暫定使用するために仕様変更が行われ、形式は変わらないが車両番号は200番台となりました。基本仕様は3次車と同様のものとなっていますが、この時の増備車から制御段数の増加が行われたほか、4両編成を2本連結した8両編成での運行を可能にするために、元空気溜め管・直通管・ジャンパ栓(27芯・48芯)の新設が行われ、乗務員室には「自車締切」「他車締切」のスイッチが追加されました。また、内装も一部変更され、床面が6750系2次車と同様、紫系濃淡の配色に変更されました。

1993年4月~7月製造(100系5次車)

中間車20両が増備されました。この時の増備車からは名鉄では初のVVVFインバータ制御を採用し、制御装置は三菱電機のインバータ制御器であるMAP174-15V38形を採用しました。この方式では他の制御方式の車両と特性をあわせる制御を行っています。主電動機については、東洋電機製造製の三相かご形誘導電動機のTDK-6380A形(出力170kW)が採用されました。台車はボルスタレス台車に変更され、電動台車はSS126D形・付随台車はSS026D形を採用しました。

1994年7月製造(200系)

6両編成1本が増備されました。この編成では全ての車両がVVVFインバータ制御となり、各車両の形式も200番台となりましたが、車両番号は100系200番台の続き番号で、名鉄社内では「100系6次車」として扱われています。耐雪ブレーキと滑走防止装置を製造当初より装備しました。客室内では乗務員室直後に車椅子スペースが設けられたほか、車内貫通路上部にLED式の案内表示装置を設置し、車外放送装置も装備しました。また、前面の飾り帯にあった名鉄の社紋を廃止しました。


車両についての見解

現在、準備中。